~A journey walked by the heart~
ローカル98%の列車に揺られて——フエで僕の心が変わり始めた日

ローカル98%の列車に揺られて——フエで僕の心が変わり始めた日

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ダナンからフエへ、ローカルしかいない観光列車に揺られて気づいた「人間本来の距離感」。200円のBún Bò Huế、一人プリクラ、ぼったくりヨーグルト——小さな出来事の連続が、心を閉ざしていた僕を少しずつ変えていく。「聞いてみないとわからない」という、シンプルだけど人生を動かす教訓に出会った一日の記録。

朝6時30分に目覚ましが鳴る。そう、今日はフエへ行く日だ。列車が7時45分発だから、7時過ぎには出ないといけない。結局6時50分に起きて、3分でシャワーを浴び、髭はベッドの上で剃り(ごめん)、歯磨きはパッキングしてからした。無事にホステルを出て、バイクタクシーを呼んだらすぐに来てくれたので、1.5キロの道もあっという間。無事に駅に到着した。

朝ごはんを何か買いたいなって思って、売店でバナナと豚肉を巻いた緑色のやつを購入。全部で20,000ドン。食べようとしたら、電車が到着したからすぐ乗ってとアナウンスがあったので、急いで乗車することに。今回も席は窓側ではなく通路側。なんで僕はいつも通路側になってしまうんだろうってね。

ローカル98%の観光列車

荷物を置いて席に座る。今回は出発と反対方向の座席だった。まあいいやということで。

今回は観光列車だから、スピードはすごくゆっくりで、30〜50キロくらいで走る。だけど、ダナンの海沿いを走ってフエに向かうので、景色は最高だった。

窓を見ると、海が見えたり、窓の外にあるのは大自然だけ。僕は必死に動画を撮ったり、写真を撮ったりする。

車両を移動してみると、食堂車両があった。売店があって、キッチンがあって、そこで注文もできる。さらに歌を歌っている人もいて、キッチンと売店とカラオケが一つの車両に同居している。本当にベトナムらしい。

そこでベトナムの伝統料理「BANH NAM」を注文した。中にオレンジ色のものが入っていて、正体はよくわからなかったけど、とにかくとても美味しかった。

電車の中にいるのは98%以上がローカルの人だった。これが最高なんだ。やっぱり、この雰囲気が大好き。海外からの観光客がいなくて、ほぼローカルの人に囲まれた環境にいるからこそ、本当のその国を感じることができる。僕はすごく幸せだった。

ベトナムにいて、ベトナム人しかいない列車に乗り、ベトナム料理を食べ、大音量の音楽でベトナムの歌を聞く。

周りのベトナム人もみんな穏やかな表情だった。どこの車両を見ても、機嫌が悪そうな人がいない。

これは日本の電車と大きな違いだなぁって思った。日本は、見栄を張っているおじさんとか、すごく不機嫌で人生が楽しくなさそうにしている人が電車にたくさんいる。

これは残念なこと。自分もそのように感じてしまうからね。やっぱり人は周りの環境に影響される。だから、自分がハッピーになりたいのなら、ハッピーな人が多い場所に行けばいい。

ただそれだけ。それをこの列車の中で実感できたのは、とても大きな発見だった。

人間本来の距離感

途中、何度も移動して歌のライブを聞いた。近くで働いているキッチンのスタッフも、お客さんがいないからなのか、みんなで固まって遊んでいた。手を引っ張り合ったり、距離が近くて笑顔だった。

ベトナムはみんなそう。距離が近くて、「ボディータッチ」なんていう言葉すらない。それが当たり前。電車に乗っても、隣の人の腕が触れていてもなんともない。

そんな「なんともない当たり前」の中で、本来の人間らしい生き方をしているように見えて、ああ素敵だなぁって思う。本来の人間は集団で生活して、みんなで和気藹々としながら生きるもの。それをベトナム人たちは自然と体現していて、本当に美しいなぁって思った。同時に、羨ましくもあった。

僕が座っていると、「ちょっとカメラ貸してよ」ってキッチンのスタッフが楽しそうに僕のカメラを触っていた(笑)。そんなフレンドリーなベトナム人が大好きだ。距離が近いといっても、それは本来の人間らしい生き方に近いもので、僕にはまったく違和感がない。むしろ、距離をとって相手の目を気にしている方がよっぽどおかしいことだと思う。

中継地点に到着!

フエ到着、そして新しい出会い

3時間以上かかったけど、無事にフエに到着。バイクタクシーでホステルに直行する。到着したとき、やっぱりすごくワクワクと達成感があった。自分は今、海外のフエにいるんだ!って。今日は本当に暑くて、汗が止まらなかった。

ホステルに着いてすぐチェックイン。11時だったのにリセプションの人がすごくフレンドリーで、すぐに部屋に案内してくれた。英語も流暢で、「なんでこんな朝早いの?」みたいな感じだったので、電車で来たことを話した。

部屋に入ったらヨーロッパ人が2人いたので、元気よく「Hi」と挨拶。このパワーは、一人でフエまで電車で来たという自信と、リセプションのお姉さんのポジティブなエネルギーとの良いシナジーだったと思う。相手もフレンドリーで、すぐに自己紹介をして仲良くなった。

フランス人のFloとスペイン人のPedro、2人とも旅の途中で出会って一緒に旅をしているらしい。Floは5ヶ月も旅をしていて、ベトナムに3回も来ているという。5ヶ月ノンストップで旅ができるなんて信じられない。僕は1ヶ月でもう疲れてしまって体調を崩したりしているから、さすがだなぁって。

僕がフロントエンドエンジニアでウェブサイトを制作していることを伝えると、Floはチェンマイでバイクレンタルのビジネスをやりたいらしく、ウェブサイトを作るときには声をかけてくれるとのこと。What's Appを交換して、彼らはお昼ごはんへ。僕は一人でフエ王宮へ行くことにした。

Bún Bò Huếの発祥地で、初めての一杯

ずっと気になっていた場所に向かう前に、お腹が空いていたのでリセプションの人に「Bún Bò Huếが一番美味しいレストラン知ってる?」と聞いたら、近くの市場をすすめられた。

外に歩き出すと、まずコンカフェを発見。コンカフェではそれぞれの街でオリジナルのトートバッグがあるので、Hueバージョンを買いたかった。行ってみると売り切れで、入荷は明日の午後とのこと。とりあえずジュースを注文した。グラスに塩がついていて、何かの野菜ジュースという感じだったんだけど、味は本当に草を飲んでいるかのような独特さ。でも、これこそベトナムらしい味で楽しかった。

最近、コミュニケーション力がすごく上がっている気がする。店員さんみんなにトートバッグのことを聞くし、飲み終わってからは「Bún Bò Huếの美味しいレストラン知ってる?」とみんなに聞いていた。

一人の店員さんがお店を教えてくれたので、そこへ向かうことに。やっぱりローカルの人に聞くのが一番だ。

ネットの情報もいいけど、人と人のコミュニケーションこそ本物だなって思った。そして、今はそれを勇気なんてなくても普通にできるようになった。成長したなぁって感じる。

ホーチミンで出会ったTaoからBún Bò Huếのことを聞いたのがきっかけで、この料理を知った。一度も食べていなかったので、ついに発祥地フエで初めて食べられるのは本当に嬉しかった。

実際に行ってみると、ガチのローカル食堂で観光客向けではまったくなかった。たくさんのベトナム人が食べていたので、きっと大丈夫だと思った。それに、このローカル感こそが最高だ。

運ばれてきたBún Bò Huếは、Phoと似ているようで麺や具が違う。Phoと同じように野菜とライムは別皿で運ばれてきて、中には牛肉と肉団子、肝臓が入っていた。辛いイメージだったけど、辛さは0。

不思議。味はジューシーで、Phoよりもスープが濃くて、肉の旨味がしっかり行き渡っていた。肝臓は人生で初めて食べたかもしれない。噛んだときの食感がちょっと苦手で、ほとんど残してしまったけど、いい経験だった。お会計は40,000ドン。200円ちょっと。こんなに大量の肉と具が入っていてこの値段は安すぎる。さすがローカル。

フエ王宮で歴史に触れる

橋を渡って王宮へ向かう。フエが好きになってきた。大きな街ではないけど、人が少なくてとても落ち着いている。緑が多くて公園も大きい。芝生もたくさんあって、Vibeが最高。さすが昔の都だなぁって。フエはベトナムに皇帝がいた頃の街だから、歴史を感じることができる美しい街だ。

王宮に到着すると、規模が大きすぎた。大阪の万博記念公園くらいの広さがあって、一日じゃ全部回りきれない。3コンボチケット(フエ王宮と2つの陵墓)を購入。420,000ドンはちょっと高いなぁと思いつつも、中に入る。

当時の建物がそのまま残っていて、歴史を感じるものだった。面白いのが、大砲や建物の装飾にすべて漢字が使われていること。中国の影響を強く受けていたんだなぁって。

ベトナムらしい赤と黄色がたくさん使われていて、当時の皇帝がここに住んでいたのだと思うと、何か感じるものがある。一直線の道が多く、曲がりくねった道がない。

まさに都。1890年頃に撮影された皇帝の写真も展示されていて、そんな時代にこのクオリティの写真が撮れるなんてすごいと驚いた。

一人プリクラと、ベトナム帽のレンタル交渉

そこで4時間くらい過ごした。とにかく歩いて、途中眠たくなったりしながら。プリクラを撮影できる場所があったので、行こうかなって思った。いつもなら「一人だし...」ってやめてしまうけど、今日は違った。

一人だからなんやねん!ルールは自分で決めるんや!というマインドで、一人で撮影。一人でプリクラを撮ったのは2020年にロシア短期留学でカザンに行って以来だ。恥ずかしさもなく、いい感じにポーズした。

実はベトナムの三角帽子をレンタルしていたので、いい記念になった。購入だと200,000ドンだったけど、「持って帰ることはできないから、1日レンタルだったらどう?いくら?」と交渉したら、30,000ドンでOKになった。もともとメニューにはないのに、聞いてみたらできた。やっぱり「人にお願いしてみる」って大事だなぁって思った。

僕がレンタルしたのは通常の黄色いものではなく、緑色で大きな葉でできたクリエイティブなもの。

それをかぶって熱中症対策しながら歩く。途中、せっかくだから写真を撮ってほしいなぁって思って、警備員や通りがかりの人、カメラを持った団体に話しかけて撮ってもらった。恥ずかしさも感じたけど、今日は楽しさと「やらなかったときの後悔」の方が勝っていた。やってよかった。

ぼったくりヨーグルトと、人間らしさ

王宮を出る。出口で白い液体をおばちゃんが売っていたので話しかけてみた。「ココナッツウォーターだよ」と言うので「いくら?」と聞くと20,000ドン。高いなと思って去ろうとしたら「10,000!」と言ってきたので承諾。袋にストローが刺さった飲み物を購入。これもベトナムらしい。袋に液体が入っている光景ってなかなか見ないよなぁって。

飲んでみると、それはヨーグルトでココナッツウォーターではなかった。だけど、むしろそうやって嘘をついてでも売ろうとするおばちゃんの必死さに、生活するために懸命なんだなって感じた。それはそれで、人間らしい生き方だなって思えた。

偽物を買わないという信念

ヨーグルトを飲みながら歩いて、市場へ。想像以上に大きくて、食べ物から靴、服、アクセサリーまで大量に売られていた。帽子を見て一瞬迷ったけど、おばちゃんが100,000ドンとふっかけてきたのがすぐにわかった。

というか、それ以上に偽物ブランドを身につける自分が情けなく感じてしまう。常に正直に生きたいという信念があるからかな。偽物を安く買うくらいなら、無名でも正規品を買う方がずっといいって思った。

ピアノカフェと、フエ名物の夜

市場を出てバイクタクシーでカフェへ。ピアノが置いてあるゆったりしたカフェで、パンオショコラとマンゴー&ソルテッドクリームという変わった組み合わせの飲み物を注文。それで400円だから安い。そこで案件の仕事をしたり日記を書いたり。

案件が終わったので夜ご飯へ。せっかくだからフエ名物を食べたいと思って、近くのレストランに行った。外国人がたくさんいたので、きっと有名なんだろうなぁと。フエ名物の盛り合わせを注文。待っている間、隣のアメリカ人っぽい2人に「写真撮って」と頼まれたので撮ってあげて、すぐにAirdropで送った。

料理が到着。本当にフエ料理の盛り合わせという感じで、店員さんがすごく親切にすべての食べ方を教えてくれた。その店員さんには何か感じるものがあった。本当に優しくて、誠実な人だった。

動画を撮影しながら食べる。最近フランス語をずっと収録しているから、つい動画でもフランス語で話してしまっている(笑)。本当はYouTube用に英語で話さないといけないのに。

味はもう最高だった。すべてが本当に美味しくて、名前は覚えていないけど、たぶんベトナムで食べた料理の中で一番美味しかったと思う。僕の表情も素直に喜んでいた。いつもは感情を抑えてしまう自分がいるけど、ここだと素直になれる。何か開放されている感じで、本当にいい気持ちだった。

心を開くということ

食べ終わってから、店員さんと少し話をした。料理の感想を共有したり、初めてBún Bò Huếを食べたことや、辛いものが苦手なことを話したり。彼女は僕の英語を褒めてくれて、大学生でアルバイトとしてここで働いていることを教えてくれた。「何を学んでいるの?」と聞くと「Guess it」と言われて、「語学系?」「No」「アート系?」「No」「マーケティング?」「Yes!」「じゃあビジネスやるんだね(笑)」なんて楽しい会話をした。

食後にスイカを持ってきてくれて、無料サービスだった。お会計をして、せっかくだからインスタグラムを聞いて交換した。実は自分からインスタグラムを聞くのは初めてかもしれない。だけど、「聞きたいな」なんて考える間もなく、瞬間的に言葉が出ていた。今までは頭の中でどう話を持っていこうか考えていたのに、今日は何も考えずに自然と口にできた。

これは、僕が少し「外交的」になって心を開いている証拠だった。ここ1ヶ月、いろんな人と出会い、勇気を持ってたくさん行動してきた。もちろんたくさん失敗したし、無視されたこともあった。だけど、「聞いてみる」「どうなるかわからないけど、やってみる」「断られるかもだけど、とりあえず行動してみる」を繰り返してきた結果、今こうしてどんどん心を開けるようになっているのかもしれない。

「聞いてみないとわからない」という教訓

ホステルに戻ると、PedroとFloが外で話をしていた。僕は鼻歌でノクターンを歌いながら戻る。フロントで受付の子に話しかけた。とても優しそうで話好きだったから、僕も自然と話を始めた。

ベトナムでの旅のこと、いままで行った場所のこと。今までの僕だったら少し話してバイバイだったけど、心から会話を楽しんでいる自分がいた。新たな発見だった。

旅をしてきて、「聞いてみないとわからない」ということがたくさんあった。最初から「どうせこうなるからやめよう」って考えがちだったのに、実際に行動してみると逆の結果が返ってくることが多い。クイニョンでバナナが6本入りで売られていて、2本だけほしいなんて無理だろうと思ったのに、聞いてみたらOKだったり。

今日も、メニューにないレンタル費用を交渉して、1,000円の帽子を150円でレンタルできたり。

人に対しても同じ。今までの旅で、盛り上がったのにその後連絡が取れなくなったり、微妙な反応をされたりした経験もある。そうすると「どうせうまくいかない」という固定観念がつきそうになる。

だけど、違うんだ。「人によって違う」が正しい。だから、中には誘ったら「行こう!」って言ってくれる人が絶対にいる。「どうせ断られるからやめよう」じゃなくて、「断られないまでやってやろう」。これが大事だ。

そして今日、さっきのレストランの子とインスタグラムを交換して、明日コーヒーでも行こうよと誘ったら、「実はテスト終わったばかりだから自由時間がたくさんある!」と返信が来て、明日一緒に出かけることになった。これは大きな成功体験だった。すべての人がそうじゃないということ。今までの経験で諦めなくてよかった。

おめでとう、自分。本当によくここまで頑張った。今、大きな分岐点にいる。このまま勇気を持って、たくましく、いろんなことに挑戦して前に進んでいこう。大丈夫。僕ならできるから。

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● Profile

Kota Ishihara

Graduate of the Department of Life Science at Kinki University. After graduation, studied web production independently and became a freelancer in Oct 2022. Since then, has been traveling across Europe and Southeast Asia, meeting people and exploring cultures. Dreams of moving to Europe, building a creative multinational company, and traveling the world as a pilot. Can’t live without music and fashion. Tough critic of earphones. Respects Taro Okamoto.

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