〜心のままに歩く旅〜
1月1日、フランスでコロナに感染してしまった

1月1日、フランスでコロナに感染してしまった

カルチャー, 面白い体験, 出会い, 冒険の記録
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1月1日にフランスでコロナに感染した。エレーナの家族の温かさに救われた話

僕は1月1日にコロナウイルスに感染していた。

夜中、何度も目が覚めた。夢を見ては汗をかいて、タオルで体中をふいて、また寝て、また汗をかいて。常にバスタオルをベッドの側に置いて寝た。熱がさがるといいなぁって思いながら。

出発の朝

朝起きると、今日は出発の日。みんな早起きで、僕はシャワーを浴びてバッグに荷物を詰めていたので、朝ごはんは一人だけになった。みんな既に終わっていた。

まだ調子が良くなかったので、パンを食べながらアセトアミノフェンのドリンクを飲んだ。コーラも。

エレーナはそばに来てくれて、ドミニクが撮ってくれた写真の送信を手伝ってくれた。昨日撮ってくれた写真がほしいと言ったので、エレーナ経由で僕に送ってくれる感じで。

準備はすべて終わって、出発の準備は完了。エレーナの病院の予約があるので、僕もそれに合わせて病院へ行くことになった。

家を出る前、みんなすべて元あった通りに片付けていて、本当に礼儀正しいなぁって思った。管理人の人がチェックしていて、みんなとすごくフレンドリーに常になにかをお話していた。本当にフレンドリーすぎて(笑)。

ドミニクとドミニクの奥さんに握手をして、フランス語でありがとうと言った。ドミニクは「2年後には君のお母さんとおばあちゃんもここに!」みたいなジェスチャーをしていた。あまりはっきりはしていないけど(笑)。

車の後部座席に乗って出発。フランスの冬は、日本とは違ってあまり寒くない。冬だとは思えないほどに、とても暖かく穏やかだった。僕はずっと窓の外をボーッと眺めていた。状態が良くないのか、気分が万全ではなくて、車の中ではなにもせずにただ、ずっとずっと眺めていた。

途中でトイレに行きたくなって、お母さんが近くのインターに寄ってくれた。それからまた高速道路に戻って、エレーナの家の近くの病院へ到着した。

フランスの病院

フランスの病院は初めてだった。日本の歯医者さんのようにとても穏やかで、ゆったりした空間。音楽が流れていて、フランスのラブソングが聞こえてくる。なんか病院らしくなくて、興味深かった。

受付の人はすごく優しくて、僕たちが待っている間、音楽に合わせて歌っているくらいだった。お母さんは小切手に50ユーロと書いて、エレーナに渡していた。フランスでは小切手でお支払いをするのが普通で、本当にかっこいいなぁって思った。日本ではそれは主流ではない。

受付の人が「彼は日本人なの!? すごい、クール!」みたいなことを言っていた。正確にはわからなかったけど。

フランスではかかりつけ医がいて、その人に診てもらう。簡単な検査はそこでできて、薬は薬局で貰う必要がある。大きな検査は別の病院。いろんなプロセスが必要で大変だなぁって思った。日本では薬も検査もほとんど同じ場所でできるから。

まずはエレーナが入って、それから僕が入った。先生が笑顔で話しかけてくれた。なんだか作り笑顔だったので少し気になったけど、フランス人はおそらくそういうことを気にしていなくて、当たり前のような感じなのかなぁって思った。

1月1日から状態が変わって、熱、鼻水、咳が出ることを伝えた。別の場所に移動して聴診器を当てたり、コロナの検査をしてもらった。

1分後、検査結果が出た。陽性だった。

信じられない気持ちだった。自分がまさかコロナになるとは1ミリも思っていなくて、おそらくインフルエンザだろうと思っていたので、本当に信じられなかった。それと同時に、エレーナにも家族みんなにも本当に申し訳ない気持ちだった。ごめんなさいって。

病院を後にしてATMへ向かった。お母さんは2ヶ月前にコロナに感染して、5日間ずっと動けなかったらしい。体のすべてが痛くて、本当に動けなくて、2ヶ月間仕事を休んでいるとのこと。

エレーナも1年前に感染したけど、ワクチンも打っているしということだった。とりあえず、だれも死なないので安心した。

1月1日からコロナなんて本当におもしろい。

エレーナの優しさ

薬局はすべて閉まっていたので、家でゆっくりすることにした。僕はずっと部屋にこもって日記を書いていた。日記を書く時間が十分に得られなかったので、いま得られていると思うとそれは嬉しいこと。だけれども、本当に申し訳ない。コロナに感染してしまって、家族に迷惑をかけてしまった。

エレーナとお母さんが代わりに薬を取りに行ってくれた。僕は家で待機して、食べたものの洗い物をしたり、日記を書いたり。

エレーナはときどき来てくれて、「なにかほしいものはある?」と聞いてくれたり、カヌレやチョコレート、ショコラティンを持ってきてくれたり、スープを持ってきてくれたり。薬を大量にくれて、ティッシュペーパーもくれた。「もしカヌレ好きだったら教えてね」なんて言ってくれたり。

本当に、本当に温かい人だなぁって思った。絶対将来いい奥さんになるなぁって。もちろん、彼女は結婚したくないし、子供もほしくないし嫌いだから奥さんにはなれないけど(笑)。でも、本当に温かい人だなぁって思った。

僕がコロナに感染してこんな状況なのに、避けずにそばに来てくれて、本当に温かすぎる。こんな家族に巡り合えて、本当に幸せすぎると思う。

本当は下に行って一緒に映画を見たり、エレーナとの時間をたくさん過ごしたい。12月に初めて会って、一緒に年越しを過ごして、1月5日にはトゥールーズを飛び立ちパリに行ってしまう。次にいつ会えるかもわからない。彼女が大学院に行ったらおそらく違う町になるだろうし、そのときにはきっとボーイフレンドがいるだろうから、もう会えなくなってしまうかもしれない。

だから、本当にいましか過ごせないかもしれない。だからこそ、今一緒に過ごせる時間を精一杯使って今を生きるんだ。

コロナで部屋にこもっているものだから、どうしても壁に貼られたたくさんの写真に目が行く。エレーナの子供のころの写真。どれもかわいくて、笑顔がとっても美しい。子供は可愛いものだよなぁと改めて思う。

10時半過ぎ、エレーナがおやすみと言いに来てくれたタイミングで、僕も寝ることにした。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後、Web制作を独学で学び、2022年よりフリーランスとして活動開始。現在は世界一周をしながら、Webエンジニアとして働きつつ、「旅するように生きる。感動するように働く。心でつながる。」をテーマに、ブログ・YouTube・SNSで発信を続けている。観光地を巡るのではなく、“その国の空気を吸い、その土地で暮らすように滞在すること”を大切にしている。将来の夢は、ヨーロッパに拠点を置き、クリエイティブで多国籍なチームをつくり、国境を越えたプロジェクトを生み出すこと。そして、自ら操縦桿を握るパイロットになること。音楽とファッションは人生のインフラ。イヤホンには非常に辛口。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻