〜心のままに歩く旅〜
人生で初めてゴーストを見た日。忘れられないフランスでの1日。

人生で初めてゴーストを見た日。忘れられないフランスでの1日。

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人生で初めてゴーストを見た夜、そしてエアロスコーピアとヴィンテージ映画館

夜中に目が覚めた。腰に違和感を感じていたのか、変な夢を見ていたのか。

目を開けると、30センチ先に帽子をかぶった女性がいた。

短髪で、肩の高さくらいまで髪の毛がある。パソコンの充電器の青い光、窓から少し漏れる光、真っ暗な部屋にそれがブレンドされて、彼女の顔がくっきりと見えた。

最初、エレーナのお母さんが僕を見つめているのかと思った。なんて怖いんだろうって。だけどもちろん違う。本当にゴーストだった。2秒くらい経つと、僕の驚きに気づいたのか、すーっと去っていった。でも、悪い人ではなさそうだった。

僕は南無大師遍照金剛と南無阿弥陀仏をずっと唱えていた。気づいたら朝の8時になっていた。だんだんと光が差し込むと怖さもなくなっていったけど、電気をつけようか迷った。つけようとする瞬間にもしゴーストがなにかしてきたら。目をつぶって再び開けてその人がいたら。体は常に鳥肌がたっていた。

人生で初めてこんな体験をした。本当に怖かった。

見えない力

朝、ばあちゃんに電話した。ゴーストの話、ラトビアのこと、フランスのこと。もしかすると、ラトビアのAprilの生霊かもしれないっていう話もした。

エレーナは11時に起きてきた。おはようではなく、おそよう。

僕はシャツを取りに1階へ行きたかったんだけど、お母さんにどうやって話しかけていいのかわからなくて。やっぱりいろいろと考えてしまう性格なんだろうか。どうしても内向的な性格なのか、出だしがわからない。いつか解決できるといいなぁって思う。だけど、前にエレーナも「自分はどうやって話しかけていいかわからない」って言っていた。結局は似た者同士だから、きっと大丈夫だろう。別に気まずいわけではなくて、これは性格。仲良くなって打ち解けるにはけっこうな時間が必要なのかもしれない。でも、難しい性格だからこそおもしろいじゃないか。

下へ行くと、お母さんがいつも「ハロー!」って言ってくれる。優しいお母さん。「昨日はよく寝れた?」と聞かれたので、自分を隠さずに嘘をつかずに、正直に「悪夢を見て怖い体験をしたから寝れなかった」と言った。それでいいんだ。自分が体験したことをそのまま伝えればいい。相手がどう思おうが関係ない。

お母さんはコーヒーとバゲットを用意してくれた。エレーナの家で食べるバゲットは最高においしくて、すごく楽しみだった。

ピアノを弾きたくなったので、ノクターンやトルコ行進曲、ソナチネ、ソナタを弾いた。お母さんが「うまい」って言ってくれて、とてもうれしかった。僕が唯一できることってなんだろうっていうと、やっぱりピアノを弾くことだよなぁって。エレーナもお母さんも、GiveのほうがTakeよりも好きだから、いい人たちだとわかる。

外出する前に、ゴーストの話を共有した。そしたら、エレーナのお母さんも霊感があるらしい。見えない力が働いているんだとか。家に入った瞬間に息が苦しくなったり、家にだれかいるのがわかるらしい。それがいい人か悪い人かも心でわかるという。

昔、お母さんの友達が自殺をしようとしていた時に、見えない直感が働いて、運転中にUターンして、ある場所に向かった。そこにまさに自殺をしている最中の友達がいて、彼女はそれを救った。今はその友達に子供が2人いて、幸せに暮らしているんだとか。

僕のばあちゃんとそっくりだった。ばあちゃんもジャズが好きだし、ワインも好き。エレーナもお母さんに似てジャズが好きで、僕もおばあちゃんに影響されてジャズが好き。見えない力が働いて、いまこうしてエレーナの家にお世話になっている。一緒に年越しを過ごすなんて1ミリも思っていなかった。不思議な力を感じた。

ばあちゃんに「次に海外に行く時はお線香を持っていくといいよ」と言われたことを話すと、なんとお母さんが白檀の線香を持ってきてくれた。毎朝お参りをしているんだとか。共通していて信じられなかった。似た者同士が集まるんだなぁって。

フランスのスーパー

まずはスーパーへ。

思ったよりも高くなくて、チーズがめちゃくちゃ安かった。フランスのスーパーにはチーズがたくさん売られていて、これこそ本家なんだなぁって。エメンタールやゴーダ、ヤギのチーズ、ブルーチーズ。すべてが安い。

バゲットも大きい。エレーナはギリシャヨーグルトが好きらしい。KIRIもきちんと売っていた。

僕が荷物のかごを持って歩くと、「私が持つよ」と言ってきた。彼女は独立している。フレンチってこうなんだ。かっこいいなぁって改めて思った。しっかりと自分というものを持っていて、素敵だと思う。

カマンベールやヤギのチーズ、サラミも買ってくれた。申し訳ないくらいのおもてなしだった。僕も、将来この10倍以上に返せるような素敵な人になる。

エアロスコーピアへ

今日は一日中雨。本当はモンバルっていう小さな城のようなところへ行く予定だったんだけど、プランを変更して、トゥールーズの航空博物館エアロスコーピアへ。

お母さんがわざわざ運転してくれたのに、僕はすっかり疲れて寝てしまった。昨夜のゴーストのせいで寝れなかったのだから仕方ない。

到着してから僕たち2人はエアロスコーピアへ。お母さんはカフェへ。チケットは14ユーロ。昨日エレーナが僕のチケットを買ってくれたので「僕が買うよ」と言ったら断られた。フランスでは、少なくとも彼女の友達の間ではいつも割り勘らしい。フランスって個人主義なんだなぁって、それが発見だった。

エアロスコーピアは大きくて、外にはエールフランスのコンコルド、中にはエアバスの引退した機体がたくさん飾られていた。

初めて間近でタイヤやジェットエンジンを見ることができた。いい経験だった。

エレーナとはいつも一緒ではなくて、個人個人で見ている感じだった。だけどそれが僕にとっては好きだった。もちろん僕たちの時間は貴重だから、たくさんお話したいし、もっと彼女のことを知りたい。

1.5年前に出会って定期的にお話をしている相手だから、仲良くなりたいって思った。だけど彼女は僕になにを話したらいいのかわからないらしい。それでもいいじゃないか。まだ慣れていないだけだと思う。

もっと恥ずかしがらずに自分を出せればいいんだけどなぁって思った。だけどなにかが引っかかる。これは相性なのか? わからなかった。

おみやげコーナーで、コンコルドのレプリカやエアバスのポスター、バッチ、キーホルダーがたくさんあった。僕はワインの蓋とバッチを買った。エレーナには「ごめん!」って言いながらずっと迷っていた。でも、お話はたのしかった。彼女はとても笑顔だった。

ヴィンテージの映画館

エアロスコーピアを出発し、映画館へ。後ろの席から、お母さんとエレーナがフランス語でお話している姿を見る。彼女は曇った窓にお絵かきをしていたり、お母さんに抱きついていたり。二人は仲良い家族で素敵だなぁって。車も小さくて古い車だから、余計に二人が輝いているように感じた。幸せそう。感無量だった。

映画館に到着。なんとヴィンテージで、映画館とは思えないところだった。古いレストランの中にある映画館。とってもCozyな空間。

ディナーが18時30分からで、40分ほど待ち時間があった。暖炉の近くの席でお話をしていると、エレーナは近くにピアノがあることに気づいて、ドビュッシーの月の光を弾き始めた。めちゃくちゃこの雰囲気に合っていて素晴らしかった。

途中で迷って弾けなくなってしまって、一人の女性にフランス語でなにか言われた。褒め言葉だったと思うんだけど、その瞬間顔が真っ赤になってしまっていた。お母さんのところへ行って顔を隠して抱きついていた。かわいすぎる。ああ、これがエレーナなのかぁって思った。

お母さんとはジャズの話をした。「TAKE FIVEのアルバム知ってる?」とか、サックスのジャズミュージシャンの話。エレーナは日本人でオーケストラをしているミュージシャンを見せてくれて、とてもかっこいいなぁって。彼も生物学を勉強していて、僕と一緒じゃないかって思った。

赤ワイン2つとジュース、パン、ジャム、サラダ、チーズが揃った。

おいしかった。羊のチーズ、ソーセソンっていうサラミみたいなもの、ワイン。パンも最高。昨日のガストロノミックよりも、今日のご飯のほうがとてもコンファタブルだし美味しいって、お母さんにお話した。

とにかくたのしかった。だけどまだ僕は気を使っていて、どうしても日本人の性格が出てしまう。失礼なことはしてはいけないっていう教えがすごく根深い。もちろんそれは大事なことなんだけど、そのせいでフランスのカルチャーに入りきれていないのかもしれない。もっと自由にふるまえばいいと思うんだけど、まだ壁がある。

自分を変えれば、相手も変わる。

今日の映画は「Le parfum vert」というコメディー。フランス語の映画を見ようと決めた。エレーナは英語字幕がある映画をリサーチしてくれたけど、僕はフランスの文化を感じたかった。言語がフランス語でたとえ理解できなくても、その雰囲気を知ることこそが大事で、言語がわからないからこそ感じる特別なものがあると思うから。

映画の内容は正直わからなかった。だけど途中途中、表情や雰囲気でなにを言っているのかがわかった。言語がわからないから視覚に集中して、新たな感覚を得る。これはとっても大事なことだと思う。

エレーナとお母さんのおかげで、僕はフランスのシネマでフランス映画を見ることができた。感謝の気持ちでいっぱい。

明日はいよいよ、エレーナのおじさんに会いに行く。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後、Web制作を独学で学び、2022年よりフリーランスとして活動開始。現在は世界一周をしながら、Webエンジニアとして働きつつ、「旅するように生きる。感動するように働く。心でつながる。」をテーマに、ブログ・YouTube・SNSで発信を続けている。観光地を巡るのではなく、“その国の空気を吸い、その土地で暮らすように滞在すること”を大切にしている。将来の夢は、ヨーロッパに拠点を置き、クリエイティブで多国籍なチームをつくり、国境を越えたプロジェクトを生み出すこと。そして、自ら操縦桿を握るパイロットになること。音楽とファッションは人生のインフラ。イヤホンには非常に辛口。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻