~Un voyage guidé par le cœur~
不安の先には、待ってもいなかったことがある—ブルネイで出会った70歳の冒険家

不安の先には、待ってもいなかったことがある—ブルネイで出会った70歳の冒険家

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誰も歩いていない街、野菜が一切ないバイキング、礼拝中で入れないモスク。ブルネイで途方に暮れていたところ、水上ボートツアーに誘われた。ChatGPTに安全か確認してから飛び込んだ先に待っていたのは、70歳の日本人冒険家Nobuさんとの出会い。お守りの20ドル紙幣と共にもらった「いつでも飛んでいけるから」という言葉。

不安の先には、待ってもいなかったことがある—ブルネイで出会った70歳の冒険家。

野菜がない朝食

朝起きた。納期ギリギリの仕事を無事に終えて、朝を迎えた。朝はバイキングということで1階へ。どれも美味しそうなんだけど、緑がない。つまり野菜が全くない。

これは驚きだった。ブルネイの人は肉食なんだろうか?生野菜とかブロッコリーとかレタスとかあってもいいと思うんだけど、全くない。本当に不思議というかショックでもあった。スイカがあったんだけど、もう少しでなくなりそうだったので急いで4切れほどとった。

揚げバナナやハッシュドポテトもとった。飲み物は牛乳を飲むことにした。日本の牛乳と比べて甘いなぁって感じる。こんな食事を毎日食べていたら健康的とは言えないんじゃない?って思ってしまうほど。

みんなどうやって野菜を摂取しているのか普通に気になった。

誰もいない街を歩く

朝食を食べてからは散策!ブルネイを散策できるのは今日が最後で、明日はフライトでインドネシアへ行ってしまうので、できるだけたくさん散策しようって思った。中心部にはモスクがあって、お土産屋さんもあって、スタバも4km圏内にあるという感じだったから、まず中心部まで歩こうって思った。

外に歩き出す。すごく暑くて汗をたくさんかく。歩いていても誰もいない。誰も歩いている人がいない。これが本当に不思議で、みんな車で行き来していて歩いている人がだれもいない。観光客の姿も全くない。ブルネイは観光する国ではないのかなって思ったりもする。

この79って時速のこと?

暑い中歩いているんだけど、歩道が途中からなくなったりまた出現したり。本当に変な感じだった。中心部へ行くだけでもすごく苦労して、反対側を歩こうと思ったんだけど途中で道がなかったり、別の方向へ行ってしまう道だったので、結局歩道橋を渡って戻った。

歩いているときは裁判所があったりして、ここでこの国独自の法律に基づいた裁判があるんだなぁとか考えていた。イスラム教の国には独自のルールがあって、それぞれの文化の違いを肌で感じた。

僕はタイの寺院で買ったTシャツみたいなものとタイパンツを履いていたので完全に目立ってしまっていた。おそらく、車で通るだれもが僕を見たに違いないって思ったり。汗が大量に出て、本当に暑かった。

中心部?ここが?

中心部に無事に到着。最初は一番大きなモスクへ行こうって思ったんだけど、礼拝の時間だったのでモスクは閉まってしまっていた。しょうがなく反対側のショッピングモールへ。面白いのが、ここが中心部?って思うほどなにもないということ。ショッピングモールも本当に小さい。

2階のお土産屋さんへ行って、インドネシアの友達にキーホルダーを買うことにした。もっと他のお土産も買おうかと思ったけど、Tシャツにでっかくブルネイと書かれていたりするものばかりだったし、素材もあまり良くなかった。買っても二度と着ないだろうからやめておいた。昔に比べて本当に理性が働いているなぁって感じる。

お客さんはほぼ全員中国人で、中にはブルネイの衣装を着て撮影している人もいて面白かった。ブルネイ・ドルはシンガポールと同じレートで動いている通貨で、お土産も5ドルくらい。けっこう高いなって思った。

いろんな国を旅していると、コスパの良い国がわかってくる。きれいで食事も美味しくて人も良くて安い国もあれば、そこまで魅力を感じないのに割高な国もある。旅をすることによって自分の肌で身につけた感覚なのかなって思う。

塩パウダーをトイレで入れる

体が塩分を求めていたので、持ってきた水に常備の塩サポートパウダーを入れることにした。だけど、ショッピングモールの座るところで入れると疑われるんじゃないかと考えてしまって、トイレでやることにした。

それこそ怪しいと思うんだけど、変な風に巻き込まれるよりもいい。過去に2〜3度熱中症になっているから、こういうのには体が敏感になってしまった。でもそれはそれでいいこと。

モスクへの道と、突然の誘い

もうそろそろいいかなって思ってモスクへ向かうことにした。モスクへ行く道がとってもきれいだったので、近くにいたお兄さんに写真を撮ってもらった。

屋台で働いている彼は快く応じてくれて、写真もかっこよく撮ってくれたり、サービス精神がすごかった。

モスクは頭部分が金色でできていて、本当に宮殿という感じだった。ここが中心部だとはまだ信用できないほど、本当になにもない。ビルもなければオフィス街もない。

タクシーアプリも独自の国で作ったもので、UIUXもあまり心地よいものではなくて要改善だなって思った。モスクへ到着して近くにいた人にまた写真を撮ってもらった。だけど彼は写真のセンスがなくて本当に残念だった。

モスクへ向かったんだけど、なんとまた礼拝中で閉まっていた。またか。ちょっと残念に思った。外側を散策しようと思っていたら、急に一人の男の人が話しかけてきた。「水上ボートに乗ってお猿さんやクロコダイルを見たい?

水上アパートツアーもあるよ。1.5時間くらいで終わるよ!今はインド人グループと日本人1人、シンガポールの人もいるよ」って。

日本人がいることに驚いてしまった。モスクみたいな観光場所に待機して、観光客に話しかけていく戦略は賢いなぁって思いつつ、大丈夫なのかなってちょっと心配でもあった。

これは「運命」なのか?ブルネイに来る人なんて本当に変わり者ばかりだろうし、こういうツアーに参加して他の国の人と出会って冒険するのも楽しそうだった。

ChatGPTに聞いてみた

即答はせずに、おじさんのiPhoneの裏に案内カードがあったのでそれを撮った。「15時30分にここに来てね。あるいはWhatsAppで連絡してくれたら待つよ」とのこと。

モスクを出て歩きながら考えた。これは大丈夫なのかな。ChatGPTにも聞いてみた。「モスクにいた案内人のおじさんの水上ボートツアーに誘われたんだけど、これは人身売買とかではないよね?」って。

ブルネイではそういうことは滅多にないし、水上ボートは人気のツアーだから大丈夫だよとのこと。さらに、僕の直感やおじさんの喋り方、内容、雰囲気、いろんなものを考慮して行くことに決めた。

WhatsAppに連絡して、値段は35ドル。1時間で3500円だから安いしいいかなって。15時30分にまたモスクへ戻ることにした。モスクを見たかったのに、それどころかツアーに参加することになってしまった!

70歳の日本人冒険家、Nobuさん

待っていると日本人らしき人も来た。お互いに日本人とわかると、日本語で自己紹介をした。彼は年配の人で70歳くらいだった。すごく話しやすそうで人柄が良さそうな顔をしていたので安心した。ブルネイに来て何してるんだろうって思った。

結局シンガポールとインド人は来ないということでツアーは3人になった。Nobuさんはリタイアして今は世界のいろんなところに旅行へ行っているらしい。日本からブルネイに直行便で来ていて、今日の夜にフライトで帰るだとか。

僕は久しぶりに日本語を使ったんだけど、すごく流暢に話せていることに驚いた。4ヶ月くらい日本を出て東南アジアを旅しているんだけど、日本人に出会ったのは初めてだった。

改めて、僕は同じ日本人と同じような人生ではなく、違う人生を生きていて良かったし、あの時のリスクのある選択は間違っていなかったんだなと思った。

マングローブのジャングルへ

ツアーの人の名前はMeru。3人でボートまで向かった。Vanかと思ったけど歩いていける距離だった。ボートにはすでに運転手がいて、合計4人でジャングルへ。いきなり出発して猛スピードでマングローブに入るものだから、最高に楽しかった。

Nobuさんが着ている服も会社員のようなポロシャツにズボン、汗を拭くタオルっていう感じだったので、なんだかジュラシック・パークを想像してしまった。

周りを見渡してもマングローブしかない。大きな川のサイドにマングローブ。上を見ると空。完全に冒険だった。

全速力で駆け抜ける中、Nobuさんに寄り添って「いままでどこの国に行ったことあるの?」とか「趣味は?」とかそんなお話をしていた。彼は登山が大好きで、昔はマッターホルンとか有名な山に登っていたらしい。今は筋肉がないから難しいらしく、登山は痩せている人の方が酸素効率が良いから向いているだとか。僕も山登りをしてもあまり疲れないし、いつも先頭を歩くタイプだから向いているのかなって思った。

鼻がでかいサルと、コモドドラゴン

スポットに到着してさっそくサルがいた。Meruがたくさん写真を撮ってくれて、サルも身近で見ることができた。顔が小さくて鼻がでかすぎて笑った。

可愛すぎた。別のスポットへ行ってもまたサルがいた。Nobuさんもいい感じに写真を撮っていて、あとから送ってあげるよとのこと。

なだらかな風にそよがれながら別の地点へ。クロコダイルは今回はいなくて、運が良ければコモドドラゴンがいるらしい。そしたら、なんとコモドドラゴンが木の幹の上で寝ていた!

ちょっと寝返りうったら川に落ちないのかなって思ったりもした。

水上ハウスと王様のパレス

水上ハウスを見て回った。ブルネイは所得が東南アジアでもすごく高い国なのに、川の上に家を作って暮らしている人がこんなにいるのはすごいなぁって思った。

Meruは当時の王様が住んでいた家や今の王様のパレスを見せてくれた。何百ものシャワールームがあるらしくて、さすが王様は違うなぁって。

ボートツアーは想像以上にハイクオリティですごく楽しかった。本当に参加してよかった。

モスクの中にエスカレーター

ツアーが終わってMeruとバイバイして、僕とNobuさんの2人だけになった。僕はモスクを見たいって言ったら、Nobuさんも一緒に来てくれた。彼はもう見終わっていたけど、どう入るのかを教えてくれた。

魔女のような緑色のローブがあったのでそれを着て中に入ることにした。中にはエスカレーターがあって驚いた。モスクの中にエスカレーターは笑う。

入れるところは限られていて、僕たちはイスラム教信者ではないので観光限定の部分しか入れなかった。Nobuさんに何枚か写真を撮ってもらったり、一緒にも撮影した。

日本人同士の貴重な食事

せっかくだから一緒にご飯を食べようってことになった。僕は日本人の友達が極端に少なくて、普段日本人と食事をする機会は皆無に近い。だからこそ、久しぶりに同じ国の人と食事ができること、そしてNobuさんのような素晴らしい人と食を共にすることが本当に嬉しかった。

歩きながらお互いの旅について共有したり、僕が5ヶ月旅をしていると言うと驚いていた。Nobuさんは普段1ヶ月に1度海外へ行くくらいだとか。70歳でそれをやっているのが信じられない。

クリスマスアイランドやクック諸島とか本当にマイナーな島ばかりに行って、そこでラジオをやっているだとか。めちゃくちゃ変わっている人。やっぱり、ブルネイに来る人は変人しかいないなって思った。僕含めて(笑)。

永遠に青にならない信号

食事はどこにする?ってなったけど、僕も今日初めて本格的に外出したからレストランがわかっていない。マップを見ても中心街なのにレストランがほぼない。Nobuさんのホテルにレストランがあるということで向かうことにした。

向かっているときは信号待ちで10分くらい待った。永遠に青にならない信号機。でも会話が楽しすぎてそんなことをお互い忘れていた。

レストランに到着してNobuさんは「なんでも好きなもの食べていいよ〜」って言ってくれた。すごく申し訳ない気持ちと感謝の気持ちだった。彼も日本人と食事をすることは今はなくて、海外ではなおさらとのこと。僕と同じだったから、お互いに親近感がわいた。

彼はサーモン、僕はお肉を注文した。食べているときは彼の仕事のストーリーを聞いていた。

もともとカメラを作っていたらしく、その構造や特許のお話、いろんな興味深いことを教えてくれた。カメラは1つとして同じ製品はないということが驚きだった。すべて一人ひとりの手作業で行われているので、同じ製品でも究極的には良い悪いがあるだとか。カメラは線を捉えるのがすごく苦手で、それを実際に撮影するとよくわかるらしい。長年カメラ職人として働いてきたNobuさんだからこそ語ることができるものだった。

海外出張で1980年代にモスクワへ行ったことも教えてくれた。地政学的なものにも興味があって、ウクライナやイスラエルなど今世界で起こっていることについてもお互いに意見交換をした。すごく楽しい時間だった。

ビールがないから残念だなぁってお互いに話していた。僕はカクテルが好きで、彼はビールが好き。だけどブルネイには一切ない。2〜3時間はお話をしていた。話すときりがないって、こういうことなんだなって。

仕事なんていつだってできる

Nobuさんも疲れたのかそろそろということになった。僕も実は仕事が大量にたまっていて徹夜だろうなって思っていた。でも、仕事があるから早く帰りたいとは言えないし、言いたくない。

仕事なんていつだってできる。だけど、彼との出会いは今日限り。そんな貴重な時間だからこそ、共に過ごす時間を大切にしたい。

お互いお腹いっぱいになってタクシーで帰ることにした。Nobuさんはタクシー代も出してくれた。僕は歩いて帰れると伝えたんだけど、夜も危ないしということで。

空港からホテルまでなんと35ドルかかったらしくて、僕のホテルからアプリで見たら10ドルだった。しかもブルネイ・ドルではなくアメリカドル。ぼったくられてるなって思った。

お守りの20ドル紙幣

帰りにタクシーを待っているとき、Nobuさんはお守りとして僕にいくらかドルをくれた。初めて触った20ドル紙幣だった。25歳にもなった大人が今日出会った人からお金をもらうなんて、罪悪感というか申し訳ない気持ちがあった。

だけど、Nobuさんも僕を支援したいということで、幸せを感じてくれるのであれば、ありがたく頂いた。本当に感謝の気持ちでいっぱい。このドルは絶対に使えないなって思った。緊急の時だけに使おうって。

タクシーが来たのでNobuさんにバイバイ手を振ってお別れした。帰り際に「本当にやばくなったときとか、緊急の時はいつでも呼んでね。いつでも飛んでいけるから」って言葉をかけてくれた。どれだけ心強いか。言葉だけだとしても、すごく嬉しかった。日本に帰ったときは彼の家に遊びに行こうかなって思ったり。

本当にMeruの招待を疑いながらも行こうと決意できてよかった。不安の先には面白いことがある。不安の先には待ってもいなかったことがあったりもする。それが人生である。だから、人生は面白いのである。

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● Profile

Kota Ishihara

Diplômé du département des sciences de la vie de l’université Kinki. Après ses études, il a appris la création de sites web en autodidacte et est devenu freelance en octobre 2022. Depuis, il voyage à travers l’Europe et l’Asie du Sud‑Est, à la rencontre de cultures et de personnes. Son rêve est de s’installer en Europe, de créer une entreprise créative et internationale, et de parcourir le monde en tant que pilote. Passionné de musique et de mode. Très exigeant sur les écouteurs. Il admire Taro Okamoto.

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