〜心のままに歩く旅〜
トルコで"溶け込む"感覚 ー アタテュルク廟の1日

トルコで"溶け込む"感覚 ー アタテュルク廟の1日

カルチャー, 気づき, ストーリー,
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アンカラ2日目。誰も自分を見ない街を40分歩いてアタテュルク廟へ。頼んだ男性に最悪な写真を撮られ、44リラのいちごを買って帰った日。

アンカラの空は、雲ひとつなかった。

歩き始めてすぐ、気がついた。誰も、僕を見ない。 それがこんなに心地いいとは思わなかった。

バタバタ朝と、どうでもよかったMTG

11時チェックアウト。シングルベッドからドミトリーへの移動日だった。

ギリギリまで寝ていたのでバタバタしたが、荷物をまとめてなんとか完了。そのまま、買っておいたパンをかじりながらオンラインMTGに臨んだ。

以前だったら緊張していたかもしれない。今は、早く終わらないかな、という気持ちしかない。

始まってみると、テキストで十分やり取りできる内容だった。なんでこれをMTGにするんだろう。相手は仕事をやっている感を出したいのだろうか。相手の声が少し震えていたから、緊張していたのかもしれない。こういう微妙な違いを受け取ってしまう自分が、やっぱり繊細だなと思った。

HATAY GURMEと、スマホの話

お腹が空いたので、ケバブのお店に入った。

注文したのはHATAY GURME。チキンとポテトが一体になった、ケバブのようなもの。大きなロールをカットするところをスマホで動画に撮っていたら、お兄さんがピースをしてくれた。周りの店員さんも笑っていた。少し恥ずかしかったけど、こっちも笑顔で撮影した。

一眼レフを持っていたら、あの空気になっただろうか。スマホだからこそ、カジュアルに反応してもらえたのかもしれない。最近はカメラにこだわらず、すぐ撮れる状態を優先している。

快晴の中、アタテュルク廟(Anıtkabir)へ

昼食のあと、歩いて廟へ向かった。

アタテュルクはトルコの建国者。彼が眠るこの廟は、アンカラの丘の上にある。歩いて40分。今日は歩くことにした。

快晴だった。歩いているだけで気持ちよかった。

そして、ひとつ気がついたことがある。トルコに来てから、誰も僕を見てこない。ジョージアやアルメニアでは、外国人だとすぐわかるのか、視線を感じることが多かった。でもトルコは違う。雑踏の中に混ざって、ただそこにいるだけで済む。

これが自分の精神状態のカラーフィルターなのかもしれない。でも、ここでは日本のことを考えず、今に集中できている。一人の自分として、ただここにいられる感覚だった。

途中、スーパーを見つけた。いちごが1キロ99リラ(≒350円)だった。安すぎる。帰りに絶対買おう、と決めた。

廟でみたプロポーズと、兵士の行進

セキュリティチェックを通過して、中へ入る。

広い。思ったより数倍広い。平日なのに、多くのトルコ人が来ていた。ツアーの団体、記念写真のカップル。そして、ひっそりとプロポーズをしている男女がいた。

女性の方が背が高く、男性の方が低かった。それでも成立するんだなと、ニヤけながら遠くで見ていた。女性の表情からは、どこか不安とも、やりきれなさとも取れる感情があるように見えた。昼間の人混みの中でのプロポーズ、果たして嬉しいのだろうか。僕だったら、100本のバラと指輪を用意して、ホテルの個室でやりたい。そんなことをロマンチックに考えながら、またニヤけていた。

兵士の行進もあった。定期的に廟の前まで整列して、花飾りを置く儀式。台湾の中正紀念堂に似ている。みんな必死に撮影していた。兵士の叫び声は枯れていた。1日に何度もこれをやるのだろうか。夏の暑い日も。それが彼らの仕事だ。誇りに思っているに違いない。でも、給料はいくらで、これが人生を楽しくするのかなとも、つい考えてしまった。

行進。

そして、誰かに写真を撮ってもらいたくなった。近くに座っていた男性にお願いした。

最悪だった。

構図のセンスが皆無で、僕がアタテュルク廟を横切っている構図になっていた。撮る位置のせいで足も短く見える。本当に悲惨な一枚。

構図が悲惨。

近くに、モデルのようなスタイルの女性2人が、お互いに撮り合っていた。最初は彼女たちに声をかけようとしたけど、怖くて躊躇してしまった。結局、男性にお願いして後悔した。

教訓。写真をお願いするなら、スタイルがよくて自分の写真を撮り慣れている人に頼むこと。彼女たちは、どう撮れば映えるかを知っている。次は怖がらずに声をかけよう。

水を自動販売機で買おうとしたら、システムエラーで買えなかった。でも、近くを通った見知らぬ人に「買い方がわからない」と声をかけられた。いちいちオーバーシンキングせず、目の前の人に話しかける。これができているのは、大事なことだと思う。

44リラのいちごと、チキン・イスケンデル

帰り道、スーパーに寄った。

カゴのいちごより、パック売りの方がいいものが多かったので、バレないように少し移し替えた。結局は重さで値段が変わるだけだから、問題ない。400グラムで44リラ(≒160円)。最高の買い物。

44リラのいちご。

さらに歩くと、美味しそうな食堂を見つけた。チキン・イスケンデル、220リラ(≒800円)。ビーフは食べたことがあったけど、チキンは初めて。アイランも一緒に頼んだ。

やってきたのは、ビッグプレート。野菜もフライドポテトも付いていて、信じられないほど大きかった。さすがにでかすぎるだろって思いながら、全部平らげた。

チキン・イスケンデルとアイラン。220リラ(≒800円)。

注文のとき、店員さんに名前を聞かれた。「Kota」と伝えると、スペルを間違えずに書いてくれた。ただそれだけのことなのに、なぜかすごく嬉しかった。

ホステルに帰って日記を書こうとしたら、眠たすぎて寝落ちした。2時間の仮眠。

トルコで初めて、どこにでもいる一人になれた気がした日だった。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後、Web制作を独学で学び、2022年よりフリーランスとして活動開始。現在は世界一周をしながら、Webエンジニアとして働きつつ、「旅するように生きる。感動するように働く。心でつながる。」をテーマに、ブログ・YouTube・SNSで発信を続けている。観光地を巡るのではなく、“その国の空気を吸い、その土地で暮らすように滞在すること”を大切にしている。将来の夢は、ヨーロッパに拠点を置き、クリエイティブで多国籍なチームをつくり、国境を越えたプロジェクトを生み出すこと。そして、自ら操縦桿を握るパイロットになること。音楽とファッションは人生のインフラ。イヤホンには非常に辛口。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻