〜心のままに歩く旅〜
日本のイベントが存在しなかった日。Nataと歩いたトビリシの夜

日本のイベントが存在しなかった日。Nataと歩いたトビリシの夜

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日本のイベントが存在しなかった日、Nataと歩いたトビリシの夜

朝起きると、お腹の鳩尾がめちゃくちゃ痛かった。空腹の時に痛むような感じで、本当にズキズキする。寝返りをうってもズキズキ。一瞬収まったと思ったら、また数秒後にズキズキ。

お腹が痛いという痛さではなく、お腹の中の皮膚がただれている感覚。昨日はなにも食べていなかったので、おそらく胃酸が出すぎたのだと思う。シャワーを浴びると、一旦痛さはなくなった。

会場に着いたら、なにもなかった

今日はNataと日本のイベントへ行く予定。それまでに仕事を済ませて、おそらく4時間くらい作業をした。お腹がすごくすいたので、14時くらいにRachaでチーズ入りのヒンカリとハチャプリを注文。ハチャプリにはホワイトワインが入っていて、すごく独特な味がした。だけど美味しかった。Rachaの内部は密閉されていて、蒸気が客席まで来る。僕も料理の匂いになってしまった。

時間になったので、Nataと駅で集合。音楽を聞きながら待っていると、20分くらい遅れてNataが到着した。一緒に日本のイベントがある場所へ歩く。Nataはどうやら風邪をひいている感じだった。クリスマス近くに短期間のコンビニのようなところでアルバイトをすることになったらしい。ジョージアで仕事を得ることは本当に難しいのか。Nataは表現豊かで演技が絶対に上手だと思うのに。だけど、自分も大学生の時はコンビニのバイトをしていたので、そんなことは言えない。今こうしてジョージアで暮らせていることが本当に幸せ。

トビリシで唯一嫌なこと、それは歩道が急に消えたり狭くなったりすること。横断歩道が極端に少ない場所があって、本当に迷ってしまう。そんなことをNataとお話しながら歩いた。

会場であるはずの場所に近づくも、全くその気配がない。え、なんで? 日本語のイベントの場所を確認しても、ここ。ここ。だけど、だれもいないし、日本のイベントは全くやっていない。

僕たちは困惑していた。まさか、って。

フライヤーをもう一度確認してみると、たしかにおかしい。13時からはアニメソング、14時からはロックソング、と夜中の12時まで1時間ごとにイベントが切り替わる。人数もぜんぜんいないのに、どうやってそれが開催されるの?

改めて題名を見てみると、「Radio Web」。

あああ、やっちゃった。

僕たちは爆笑した。ラジオのウェブ番組だった。実際のイベントじゃなかった。僕は笑いながら「ごめん!」って。Nataも自分も確認していなかったので、お互いのせいだって言ってくれたけど、全ては僕が悪い。きちんと確認をしていなかった。

だけど、この空振りがなかったら、この夜は生まれなかった。

Freedom Squareまで散歩

せっかくなのでFreedom Squareが綺麗だし、そこまで歩こうということになった。僕は散歩が大好きだけど、Nataは1週間歩いていないらしく、途中ですごく息が荒かった。最近、熱で寝込んでいたらしい。ペースを落として歩いた。

歩いている時は、日本のBUCK-TICKというバンドについて話していた。Nataはこのバンドが大好きで、X JAPANとかそういう系のヴィジュアル系が大好きらしい。僕は日本の音楽についての知識が皆無なので、こういう時のためにも少しは知識がないとだめだなぁって。

Dry Bridgeを歩いて、公園へ。僕はシャンプーの話をした。僕の髪の毛はすごく硬いんだけど、こっちで買ったリンスを使うとめちゃくちゃチリチリになってしまう。髪が傷んでしまうので、日本のシャンプーとリンスを持ってこないとなぁって。Nataの髪はすごくサラサラなので、なにを使っているか聞くと、お母さんが買ってきたやつを使っているらしい。名前も知らないだとか。そりゃそうだ(笑)。

Freedom Squareに到着。すごく歩いたので疲れてしまって、近くのベンチで休憩した。ファッションの話をしたり、テクノロジーの話をしたり。ジョージアでは運転免許を取得するのが日本よりも圧倒的に安くて、日本の12分の1くらい。日本では30万円もするからさすがに高すぎる。ジョージアで免許を取得して日本に切り替えるのがいいよって教えてくれた。

リアルRPGとアイスクリーム

寒くなってきたのでRustaveli駅のほうへ。マクドナルドに行こうとしたけど人が多すぎて、近くのアイスクリーム屋さんへ。僕はアイスクリームとEnglish Breakfastの紅茶を注文。2階が空いていたので、そこでお話をすることにした。

テーマはNataの参加しているゲーム。よく森に行って数十人と一緒にコスプレをして演技をしているのを見ていたので、なんだろうって気になっていた。聞いてみると、人間のRPGゲームのような感じらしい。専用の通貨があって、呪文を取得することもできて、戦うこともできる。

「ある日、ゲームの中で誘拐されて連れて行かれてしまった。バーバリアンは私をたくさん誘拐する。だけど、仲間はだれも助けてくれなかったんだよー」

本当にリアルゲームだった。数十人でガチのコスプレをしてRPGに参加しているなんて、日本ではまずありえない。その話を1時間くらい聞かせてくれた。

途中で僕は胃が痛くなったので、薬を買いに行くことに。Nataと一緒にメトロへ。僕は1駅で、Nataは2駅。Nataも手すりを持つのがすごく嫌がっていて、その点一緒だなぁって。ジョージアのメトロはすごくうるさいけど、日本のメトロは本当に静かだから人の声が聞こえてしまうんだよ、とお話していたり。

僕たちはハグをしてバイバイした。また、トビリシを去る前に会えるといいなぁ。

イベントは存在しなかった。だけど、Nataと過ごしたこの夜は、どんなイベントよりもかけがえのない時間だった。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後、Web制作を独学で学び、2022年よりフリーランスとして活動開始。現在は世界一周をしながら、Webエンジニアとして働きつつ、「旅するように生きる。感動するように働く。心でつながる。」をテーマに、ブログ・YouTube・SNSで発信を続けている。観光地を巡るのではなく、“その国の空気を吸い、その土地で暮らすように滞在すること”を大切にしている。将来の夢は、ヨーロッパに拠点を置き、クリエイティブで多国籍なチームをつくり、国境を越えたプロジェクトを生み出すこと。そして、自ら操縦桿を握るパイロットになること。音楽とファッションは人生のインフラ。イヤホンには非常に辛口。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻