お風呂上がり、スマホを触っていたら、一人の若い男性が部屋に入ってきた。
ファンタスティックビーストのあの俳優のような雰囲気。 クールなのに、声がとても優しい。 ああ、いい人だなぁきっと、と直感した。
最初の一言から止まらなかった
僕はすかさず「Hello〜」と声をかけた。
彼は初めてのホステルなのか、どのベッドを使っていいのかわからずおどおどしていた。 だから「こことこことここ、空いてるから好きなとこ使っていいよ〜」と伝えた。
それがきっかけで、僕たちはベッドの近くでずっと話し込んだ。 僕がロシア語を少し話せることを伝えつつ、会話は英語で進んだ。
彼は自分の街トヴェリについて教えてくれた。 母国の情勢のため、トヴェリからジョージアに引っ越してきたらしい。 今はバトゥミの近くの小さな町で、奥さんと一緒にほのぼの暮らしているだとか。
奥さんはなんと21歳の大学生。 そして彼の年齢は、32歳。
まさか。見た感じ26歳とかそんな感じなのに。 本当にめちゃくちゃ若い。
若さの秘訣はサラダだった
食べ物の話になった。
彼は炭水化物があまり体に良くないと考えていて、胃にも問題があるらしく、普段はサラダをたくさん食べているという。 チキンや豚肉も食べるけど、基本はサラダ中心の生活。
わかった。それだ。それが若く見える秘訣だ。すぐにわかった。
脂っこいものを食べていると、すぐに年取って見える。 だけど、サラダを中心に食べている人は本当に若々しい。
それから、彼はラトビア生まれだということも判明して驚いた。 僕が「17日にラトビアに行くんだ」と伝えると、お兄さんがラトビアに詳しいらしく、リガの近くにある城をおすすめしてくれた。
事情があって母国にいられなくなり、ジョージアに移り住んだ彼。 今はパスポートの更新手続きのためにトビリシに来ているらしい。
ロシアのパスポートはビザなしで行ける国が限られているから好きじゃない、とも言っていた。 でも、ジョージアに1年滞在してから隣のアルメニアに出て、また戻ってこれるからそれはいいとか。
日本と同じじゃないか!って思わず笑ってしまった。

建築家で、カヤッカーで、ピアニスト
彼は本当にまったりしていて、話すスピードもゆっくりすぎて、時々「はよしろや」って思ってしまうこともあった。 でも、人間的に素晴らしい方だなぁって感じた。
仕事を聞いてみると、なんと建築家。 家やマンションのデザインを手がけていて、今年で10年以上のキャリア。現在はフリーランス。
ウェブサイトも見せてくれた。ポートフォリオがすごく綺麗で、自分で作ったらしい。
僕はWebデザイナーだから「君のサイトをデザインできるよ〜」と言ったら、彼は「いくらでやってくれるかわからないけど、このサイトをもっとたくさんの人に見られるようにしてほしい」と。 SEO対策のことかな?って思いながら、僕もポートフォリオを見せたり、名刺をプレゼントしたり。
さらに、彼はカヤックが大好きで、北極圏でカヤックをしていたらしい。 その写真を見せてくれた。
僕もサンクトペテルブルグに行った時の話をした。ルスケアラやソルタヴァラのこと。 あの時は本当に手が凍るほど寒かったんだよなぁ、とか。
そんなことをずっと話していた。 やっぱり、ロシア人というだけで、これだけ話題が豊富になるから本当に楽しい。
本当は夜に仕事をする予定だった。 だけど、素敵な人と出会ってしまったものだから、ずっとお話をしていた。
一段落して、僕は寝ることに。 彼がお風呂に入りたいというので、案内した。
こういう出会いがあるからこそ、海外はおもしろい。
彼は僕のプライベートアカウントもフォローしてくれた。 そのアカウントにはピアノの動画があって、彼はピアノも趣味でやっているらしい。
雰囲気が似ていると、共通点もあるものだなぁとすごく感じた。

朝の柿と、短すぎる別れ
翌朝、シャワーを浴びてベッドで着替えていると、彼が「おはよう」と声をかけてくれた。
そして、柿をくれた。
正直、僕は柿が好きではない。 でも、がんばって食べようと思った。
そういえば彼は「ジョージアはフルーツがすごく安い」と言っていた。 確かにそうだけど、「夏のロシアはスイカがめちゃくちゃ安いよね」っていう話もした。本当にそうだもの。
彼は1泊しかしないということで、それでバイバイした。
とてもいい人に出会えた。 だけど、一日は本当に短すぎる。
もし次回ジョージアに行く機会があれば、また会いたい。 今度は彼の家におじゃましてみたいなぁって思った。
今後、なにかの縁があれば嬉しい。




