〜心のままに歩く旅〜
この瞬間は、もう二度と戻ってこない — アユタヤで考えた一期一会

この瞬間は、もう二度と戻ってこない — アユタヤで考えた一期一会

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コインランドリーの36分で食べた恵比寿ラーメン。木の根に埋もれた大仏の前で考えた、宗教の始まり。川沿いのレストランで食べたカオソーイと、砂糖ゼロの苦すぎるスイーツ。お手洗いの間にさらっと会計を済ませてくれた人。同じ感情では二度と会えないからこそ、この瞬間を味わい尽くす。

朝起きてから、コインランドリーへ向かう。洗濯がたまっていたので、歩いて5分くらいの場所へ。洗剤も柔軟剤もその場で買えたので、コインを入れて購入し、自分でセットして洗濯開始。36分で完了するらしいので、その間に向かい側の「恵比寿ラーメン」へ行くことにした。

ランドリーではフランス人らしきおばさんに話しかけられて、「ちょっと助けてくれる?」と。丁寧に使い方を説明してあげた。彼女も初めてだったんだろうなぁと思う。最後はお互いに「ありがとう」と言って別れた。

恵比寿ラーメン、850円の期待と現実

恵比寿ラーメンは本当に日本食レストランという雰囲気で、豚骨ラーメンとチャーシュー丼を注文。どちらも90バーツで、水を入れて合計約200バーツ(850円)。めちゃくちゃ手頃だ。

ワクワクしながら食べたんだけど、なぜか日本で食べるインスタント豚骨ラーメンのスープとまったく同じ味がした。完全にどこかで食べたことがある味。まじか…って思ったけど、まあアユタヤなんだから仕方ない。

都市と地方の健康格差について考えたこと

アユタヤを歩いていて気づいたことがある。バンコクと比べて、体格のふくよかな人が多いということ。気になってChatGPTに聞いてみたら、これはタイに限った話ではなく、世界的な傾向らしい。

都市部の人は健康意識が高く、ジムに通ったり食事に気を使う人が多い。それは収入が高いからこそ、そういった選択ができるという背景がある。一方、地方ではそうした余裕がなく、健康的な食事よりも手軽で安価な食事が優先されやすい。

マズローの欲求階層にも通じるものがあると思った。衣食住が満たされなければ、その先のことには目を向けにくい。

収入が少なければ「とりあえず生き延びること」が最優先になる。健康格差の裏にはそうした構造的な問題がある。これは興味深い気づきだった。

ワット・プラ・マハタートと、宗教の始まりについて考えたこと

ランドリーに戻って乾燥機をセットしてから、一番近いワット・プラ・マハタートへ向かった。木の根に大仏の頭が埋もれている、あの有名な場所だ。

チケットを購入して中に入ると、アユタヤ王朝の遺跡が広がっていた。レンガを積み上げて作った建物。昔の人はこんなすごいものをよく作るなぁと思うし、大仏も石を彫ってここまで作り上げるのは本当にすごい。

ふと考えた。宗教というものは、人間の性質を活かしたものなんじゃないかと。人間は「なにか頼れる存在、信じることができる存在」がほしい生き物だ。病気になったとき、治ると信じたい。なにかをすれば治してくれると思いたい。その「希望」がほしい。

だからこそ、神様という存在を作り、石で形にし、崇拝する。それによって心が安心する。それが宗教の始まりなのかもしれないと思った。日本でも奈良の大仏や行基の話に通じるものがある。

そんなことを感じながら遺跡を回った。とても楽しい時間だった。

川沿いのレストランとカオソーイ

バイクタクシーで洗濯物を取りに行き、ホテルに戻ってシャワーを浴びる。それから、Fahと合流。彼女はまた車で迎えに来てくれていた。

今日はFahがおすすめするレストランへ。風景がとてもきれいらしい。到着してみると、入口は美術館のようになっていて、たくさんの絵画が展示されていた。奥に進むとレストランがあり、Fahも今回が初めてだという。彼女のボスがいつもここに来ているらしい。

川沿いの席は予約で埋まっていたので、まずは真ん中の席に座る。僕はカオソーイを注文、Fahはカルボナーラ、それと抹茶ラテ。景色を楽しみながらいろんな話をした。

彼女が働いているのはデンマークの靴ブランドの会社で、タイに工場があるらしい。外資系企業で、ボスはイギリス人。ずっと英語を使って働いているとのことで、だから英語が上手なのかと納得した。

カオソーイは美味しかった。だけど通常の6倍の値段。さすがに高い。でも、皿もこだわって作られていたし、店員さんの感じも良くて、途中で川沿いの席が空いたからと案内してくれた。

川沿いの景色はまったく違っていて、すごく美しかった。川を流れる船を眺めながら、Fahと話す。彼女の夢はエジプトに行くこと。ピラミッドやファラオの存在にすごく惹かれるらしい。僕は将来パイロットになりたいという話をしたら、すごく驚いていた。

アユタヤ名物のロティと、予想外のスイーツ

食後は近くの屋台で、Fahにロティというスイーツを紹介してもらった。自分が想像していたものと全然違って、綿菓子のようなものをプレートに包んで食べるスタイル。アユタヤ名物らしい。

それから、彼女が知っているスイーツ屋さんへ。僕はごまと豆腐が混ざっているスイーツを注文。Fahはタイミルクティーのかき氷。

僕のスイーツは…スイーツではなかった。砂糖ゼロで、めちゃくちゃ苦い。体には良さそうだけど、全部食べるのはきつい。一方、Fahのタイミルクティーかき氷は最高に美味しくて、いつのまにかそっちを中心に食べてしまっていた。タピオカもマッチしていて本当に美味しかった。

Fahはディズニーよりもユニバ派で、僕とまったく同じ。嬉しい。今年の新年は日本で過ごすとのことで、最高じゃん!って思った。ぜひ楽しんでほしい。

「次会う時に奢ってくれればいいよ」

僕がお手洗いに行って戻ってくると、Fahが「よし、行こうか」と。あれ、お支払いは?と聞いたら、「もう払ったよ」と。

これは完全に、あの定番のやつだ。相手がお手洗いに行っている間にお支払いを済ませておくという。しかも、普通は逆の立場なのに、されたのは初めてだった。いくら?と聞いたら、「次会う時に奢ってくれればいいよ」とさらっと返された。本当にかっこいいなぁと思った。

ホテルまで送ってもらって、またバンコクに来たときは会えるかもねと話して、ばいばいした。

同じ感情では、二度と会えない

「次」に会う約束をする人って、不思議だなと思う。だけど、「また会えるかも」と思っていても、同じ状況、同じ感情で会えるのは一度きりだ。

あの時はこんな感情だったけど、1年後に会う時の感情はもう違っている。状況も年齢とともに変わっていく。だからこそ、この瞬間に出会えたということを誇りに思い、その瞬間を最高に楽しみ、味わい尽くすことが大切なんだと思う。

この瞬間、いま抱いている感情や目の前の状況は、もしかするとこれが最後かもしれない。未来には、もう同じようには戻れないかもしれない。それは少し寂しくもある。 だからこそ、いまを全力で味わい、感じ尽くし、悔いのないように生きろ。 ――今この瞬間こそが、人生そのものだ。

学びが多い1日だった。そして、Fahありがとう!次会える日まで。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後は、Webサイト制作を独学で勉強し、2022年10月にフリーランスに。その後、海外に拠点を移すために海外視察を開始し、ヨーロッパ、東南アジアなどを一人で冒険をし、さまざまな人と交流する。将来の夢は、ヨーロッパに移住し、クリエイティブ・多国籍企業を作り、多種多様なクリエイティブプロジェクトをしていくと共に、パイロットになり世界を旅すること。音楽・ファッションなしでは生きられない。イヤホンにはとても辛口評価。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻