〜心のままに歩く旅〜
ロールス・ロイスと月収10万円—アゼルバイジャンで感じた貧富の差

ロールス・ロイスと月収10万円—アゼルバイジャンで感じた貧富の差

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石油大国アゼルバイジャン。ロールス・ロイスとブルネロ・クチネリが並ぶ街で、月収10万円の現実。22歳で結婚が常識の国で独身の29歳。彼の部屋に行って、貧しさの意味を初めて肌で感じた。

ロールス・ロイスと月収10万円—アゼルバイジャンで感じた貧富の差。

結婚は22歳まで?

タクシードライバーやAirbnbのオーナーさんからよく来た質問。君は何歳?結婚してるの?って。僕は「結婚していないよ」って答えると「なんで?」って聞かれる。これがアゼルバイジャンの結婚観を表していると思った。

アゼルバイジャンでは結婚は18歳〜22歳らしくめちゃくちゃ早い。信じられないくらい早くて僕も驚いた。

石油大国の光と影

アゼルバイジャンは中間的な先進国。石油大国だからこそ国は破綻しないけど国民と一部の富裕層との差がものすごく大きい。町中にはロールス・ロイスのお店があったりブルネロ・クチネリのお店が平然とあるし道には、メルセデスGクラスをよく見かける。

だけど彼らは本当の一部の人たちで一般市民の生活は平均で月10万円くらいだとか。余裕がない人がたくさんで物価高の影響で生活が手一杯っていう人がたくさん。

それにイスラム教というのもあるのか目立った「娯楽」というものが日本ほどにない。だからみんなタバコを吸ったりビールを飲んだりしている人が多いのかと感じる。

特に紙タバコを吸っている人はとてつもなく多いしAirbnbのオーナーと彼の友達と街へ散策へ行ったときなんかは彼らはしょっちゅうタバコを吸っていた。きっと彼らなりのストレス発散方法なんだろうって感じる。

それはお金がないからこそなのかもしれない。僕はタバコも吸わないしお酒も「飲みたい」と思ったことがない。酔っているときの気持ちよさやタバコを吸っているときの気持ちよさが全くわからない。

でもそれはきっと自分は他の部分で満たされているからそういうものに手を出さなくても十分に刺激を受けられているからなのかもしれない。

世界はなんて複雑なんだろう

そう感じると余裕がない環境にいる人ほど、体に良くないものに手を出しやすくなり体が蝕まれ、さらに体力が低下していったりコンディションが良くない状態になる。

だからこそ新しいことを始める気にもならず現状維持あるいはどんどん低下していってしまうというループが想像できる。

これまで自分は努力しない人に対して「なんで彼らはあんなことしているんだろう。人生を良くしたいのであれば毎日目標に向かって努力するのみなんじゃないか」って思っていたけど、実際にその環境に入ってみれば、彼らにとってそれをすることさえもままにならないほど、精神的体力的にしんどいということがすごくわかった。

余裕がないからこそ、健康に気を使うこともできない。生きることで精一杯だからこそ、安くてカロリーが高いものを食べることになる。俗に言う富裕層はどんどん富裕層になり、そうでない人はどんどん厳しくなるという意味がようやく理解できたそんな感じだった。

でも彼らに「あなたはまだ若いし可能性があるんだから毎日学習しスキルをつけて頑張ってほしい」なんて言えない。これは、自分が肌で経験したからこそ感じることができたことなのかもしれない。世界はなんて複雑なんだろうと感じた。

彼の部屋に行って、わかった

Airbnbのオーナーと僕と彼の友達の3人で街を散策した。彼は内向的なのか、ほとんどお話をしていなくて、僕がロシア語を話せると聞くとすごく驚いていたけど終始僕はAirbnbのオーナーとお話をしていた。

一緒にビリヤードをやったり、街を散策したりもした。ビリヤードをやっているときはAirbnbのオーナーと彼VS僕だったんだけど2回戦って僕が2回勝利した。

それでAirbnbのオーナーは彼を叩こうとしたりしてからかっていた。それで彼はニヤニヤしてリアクションしていた。

ビールを飲もうっていうことになって僕はビールを飲めなかったからレモネードを代わりに買ってもらって彼の部屋へ行った。そこは、真っ暗でゴミが落ちていたり瓦礫の山だったりだった。

冷蔵庫もなく、ベッドシーツもほこりだらけ床にはゴミが落ちていてタバコの匂いがしてピアノもホコリが被っていてっていう部屋としての機能をなしていない場所だった。

こんなところに一人で暮らしていて29歳で独身。僕は信じられなかった。貧しいって本当に大変だなぁって。食べるものがないとかそういう以前に、自己肯定感にも影響があるだろうなぁって思った。

彼はアディダスのTシャツにコピー品だとわかる時計、きれいな靴を履いていた。彼にとって最大限にできる「内側の弱い自分を守るための鎧」だったんだろうなって思った。

感情をストレートにぶつけてくる

ピアノを弾いたりビールを飲んだりしていると、彼はすごく感情的になってついに本心を見せたようだった。僕にすごく大きな声で聞いてきた。「なんでジョージアに行くの?アゼルバイジャンは嫌いなの?」「なんで結婚しないの?」「いつアゼルバイジャンに戻って来るの?」

彼の中には抱えきれないほどの孤独、焦燥感、いろんな感情が混ざっていることがすぐにわかった。僕はその時声が震えていた。正直怖かった。

だけど怒っているように見えてただ感情を出しているだけなんだなって、冷静になって考えたらわかった。彼は怒っているのではなくて、感情的になってストレートにお話をしているだけ。

だけど僕にとっては怒っているとしか受け取れなくて声が震えてしまった。きっと彼なりの寂しさだったり、僕に対しての正直な気持ちだったんだと思う。

最後は握手をしてハグをして会えて良かったよって普通にさよならをした。あの時彼は怒っているのではなくて、感情的になってストレートにお話をしているだけだった。後から思うと、本当に人間らしいなぁって思った。いろんな感情を抱えながら生きている彼の姿を見て、改めて世界の複雑さを感じた。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後は、Webサイト制作を独学で勉強し、2022年10月にフリーランスに。その後、海外に拠点を移すために海外視察を開始し、ヨーロッパ、東南アジアなどを一人で冒険をし、さまざまな人と交流する。将来の夢は、ヨーロッパに移住し、クリエイティブ・多国籍企業を作り、多種多様なクリエイティブプロジェクトをしていくと共に、パイロットになり世界を旅すること。音楽・ファッションなしでは生きられない。イヤホンにはとても辛口評価。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻