キャンパスに足を踏み入れた瞬間、大学生だった頃の自分が一気に戻ってきた。 自由で、可能性しかなかった、あの頃。
今日はElinaが、自分の大学を案内してくれる日。
大学案内で蘇る学生時代
朝12時に起きる。Elinaは朝9時までホステルで働いたあと、大学へ行ってテストを受けていた。テストが終わったのはお昼ごろ。歩いて大学近くの公園へ向かうと、彼女が迎えに来てくれた。

大学のキャンパスに入ると、心のどこかが懐かしさで満ちた。 ああ、また学生の頃に戻りたい。 あの頃は自由で、なんでもありだった。可能性に満ちていて、すべてが可能だった。人生のゴールデンタイムだったのかもしれない。
彼女がいつも勉強しているクラスを覗くと、たくさんの日本の本が置いてあった。日本語学科の階もあって、先生も在籍している。

棚には日本語の雑誌や小説がぎっしり並んでいた。


大学生というだけで、みんな若くてエネルギーに満ちていた。同じクラス同士で恋愛したりするのも、やっぱりいいなと思う。僕はロシアに留学しているとき毎日を最高に楽しんだから、悔いはないけどね。

案内の途中、日本とキルギスをつなぐ学院の看板の前で写真を一枚。

日焼け止め探しの珍道中
大学を回ったあとは、日が照ってきた。本当は雨の予報だったのに、快晴。めちゃくちゃ暑くなってきた。日焼け止めを塗るのを忘れていたから、急遽Elinaに案内してもらって買いに行くことになった。
最初に案内されたのは、日本のプロダクトが売られているショップ。日本の洗剤や服が並んでいて、UNIQLOの服まで売られていた。プロダクトの量はすごく少ないし、この小さな店の中でユニクロを買うのはなかなか厳しいんじゃないかと感じた。

それからコスメショップに行ってSPFを買った。購入してから歩きながら開けて塗ろうとしたら、なんと白色ではなく肌色のクリームだった。 これ化粧品じゃん!
Elinaに「これいる?僕いらないわ、多分女性用だ」と言うと、彼女は「いや違うって、よく見てよ、普通の日焼け止めだよ」と笑う。彼女は本当におしゃべりで、常に何かを話している。だから僕から話す必要がなくて、なんだか楽だった。

歩いているときは、どんな性格の人が好きでどんな人が苦手か、人を見るとき顔か性格か体型かどこを重視するか、みたいな話をした。
日本語センターの小さな図書館

日本語センターに到着すると、そこにはプチ図書館があって、日本語の本が大量に並んでいた。ここに来られたことに、自分でも驚いた。キルギスに来る前、行けたらいいなと思っていた場所だったから、その夢がかなった。


稲盛和夫の『生き方』や『夢をかなえるゾウ』が並んでいて、レパートリーが面白いなと思った。それでも、やっぱりベストな図書館ではなかった。ビル一棟すべてが本屋になっているジュンク堂で本を買った経験があるからこそ、物足りなさを感じてしまう。
それでも──世界の果てのキルギスで、これだけの人が日本語を学んでくれている。本当に驚きと感謝の気持ちでいっぱいだった。
茶道を教える日本人の先生もいて、少しだけ挨拶をした。やっぱり日本人と会うとジャッジされる気がして、あまり自分を出せない。聞かれたこと以外は話さない。これが、日本にいるときの自分だった。
もちろん、こんな状態じゃ自分は成功できない。だから、絶対に日本に身を置くべきじゃないということが、また再確認できた。

キルギス料理とまさかの共通点
日本語センターを出てからは、キルギスの料理がたくさんあるレストランへ向かった。Elinaと一緒に、焼きペリメニ、焼きラグマン、プロフ、きのこサラダを注文した。本当は日本料理のお店でたくさん食べる予定だったんだけど、お腹が空いてしまってここでお腹をいっぱいにしてしまった。


彼女のMBTIはなんとENFPで、僕と一緒だった。これもすごい驚きだった。 だから、いつもこんなにお話しているのか、ってね(笑)。

日本食レストランの手痛い一言
外に出ると雨が降っていた。傘を差して歩いたけど、寒くなってしまったのでバスを使うことに。バスは満員で、外は渋滞。最悪の状態だった。アジアモールまで向かって、そこで降りた。お店の品揃えはすごく良くて、中心のツムよりぜんぜん良かった。New Balanceもあったので、Tシャツを買い替えようかと思った。キルギスのTシャツも見つけて、お土産に一つほしいと思ったけど、サイズが合わなくて諦めた。
それから30分歩いて、ついに日本レストランに到着。ここは、唯一ビシュケクで日本人オーナーが運営する日本食レストランだった。入ると、日本人のおじさんが「ようこそ!」と言って案内してくれた。他にも予約している席が3つほどあって、すごく人気なんだなと思った。しっかりした本格的なレストランで、日本の置物だったりいろいろと置いてあった。
席に座って一息つくと、改めて「ようこそいらっしゃいました」とオーナーが挨拶してくれて、「2人とも日本人ですか?」と聞いてきた。Elinaも日本人だと思われていた。彼女は自己紹介をして、日本語の勉強をしていることをオーナーに伝えた。
すると、「違う言語も学んだほうがいいよ。日本語だけだと、仕事先を見つけるのは本当に難しいからね。今は本当に難しい」って。
一気に温度が下がってしまった。いきなり、夢をつぶすようなことを言われるのは辛い。日本が大好きで、たくさんの時間をかけて日本語を勉強してくれている人に、そうやって現実を突きつける。なんていうか、悲しい気持ちになった。すぐに、彼に敵対心を持ってしまった。
僕は夢を潰したり、現実を突きつけて諦めさせようとする人が大嫌いだ。そういう人からは、まず距離を取る。1ミリも信じない。成功者や、夢を叶えた人は、絶対にそんなことを言わないと知っているから。

さて、僕はとんかつとご飯を注文して、Elinaは唐揚げと味噌汁を注文した。唐揚げととんかつは両方、肉がめちゃくちゃ固くて、唐揚げは半生なのか臭い匂いがした。とんかつも、期待していた味ではなかった。この2つで5000円っていうのは、めちゃくちゃ高い料理だった。正直ショック。Elina自身も感じていて、「あまり美味しくなかったね」って。もうここには二度と来ない、という話をした。

帰り道、彼女のお父さんから電話があった。いつ家に帰ってくるの、という心配の電話。何時までに戻らないと家に入れないよ、と言われているらしい。22歳なのに、そこまで心配されるのもなんだろうって思ってしまう。でも、きっと心配なのだろうな。
それから、最近の恋愛話もした。彼女はいろいろと楽しんでいて、いいなぁって思った。ホステルに到着して、Elinaとはばいばいした。彼女は、ホステルでの勤務がすごく忙しくて大変で、賃金が見合っていないからすぐにやめたいということで、辞表を提出していた。タイミングがズレていたら、僕たちは出会わなかったと思うと、なんか不思議な感覚というか、良いご縁があったんだなぁって。
ピアノとカラオケ、最高の夜
地下でピアノを弾いていたら、いつものメンバーが入ってきて、「How are you!」って。そこから、僕がピアノを弾くことになった。RadioheadのSurpriseだったり、Lana Del Reyの Young and BeautifulのリクエストがAyaからあったので、弾いた。彼女はすごく喜んでいて、別の子が撮影もしてくれた。
それからは、カラオケパーティー!いつものメンバーで、カラオケをした。僕はWonderwallや日本の歌を歌ったり、ロシア語の曲を少しだけ歌ったりした。Ayaがホストをして、みんなで楽しんだ。ここまでフレンドリーな受付の人って、まじでどこ探してもいないなぁって。これだけ裁量権があって、楽しいホステルって最高だなぁって思った。
チャーハンを作ったり、おにぎりを作ったり、一緒にカラオケをしたり。もう最高すぎるホステルだった。
スモールショップに出かけて、アイスクリームを人数分買った。最初はちょっと戸惑ったけど、相手に何かをしてあげることを拒否する人はいないだろうって期待して。そうすると、案の定、拒否されずに、みんなアイスクリームを食べてくれた。小さな成功体験だった。
それからは上に戻ってシャワーを浴びて日記を書く。時間は夜中の2時になっていて、ロシアのチケットを買ったり、タジキスタンのeVisaの申請をしたりした。
それからは、Ayaが来ていろいろとお話をした。彼女はモンテネグロに行きたいらしくて、その魅力を教えてくれたり、一緒に夜中の2時からトラベルYoutuberのビデオを見たりした。Ayaは本当にコミュニケーションが上手で、みんなに平等にお話していることがすごくうかがえる。いろんな性格があるのにもかかわらず、みんなと仲良くなれるので素敵だなぁって思った。だけど、それは彼女の純粋さが可能にしているんだなって思った。
彼女には、このホステルが今までで一番だと伝えた。「You have such a beautiful heart」ということも。キルギス人がどれほど素敵かということも。すごく喜んでいた。
明日は植物園に行こうよっていうお話になって、さらに日曜日には一緒に山に行くか!っていうお話になった。
それが実現したら、本当に最高だなぁって思った。







