〜心のままに歩く旅〜
3.5年越しの再会と、今日だけの初対面。ホーチミンで交差した2つの友情

3.5年越しの再会と、今日だけの初対面。ホーチミンで交差した2つの友情

出会い, ストーリー
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ホーチミンで出会ったロシア人の新しい友達、そして3.5年越しに初対面したベトナム人の友達。 隠れ家カフェでの深い対話、文化と価値観の違い、そして「一人で旅する意味」。 国も言語も越えてつながった、静かで濃い一日をそのまま記録した。

ホーチミンで再会と初対面。ロシア人とベトナム人、2人の友達と過ごした1日

12時に起床する。いつものように歯磨きをして、シャワーを浴びて。今日はBumbleで出会ったロシア人の友達Sonyaと初対面の日だった。
彼女とはHCMCに来たときにマッチして、かれこれ2週間前くらい。僕はすぐにQuy NhonとHanoiへ行ったので、HCMCに帰ってやっと会えることに。彼女は英語の先生としてここに住んでいて、2年目とのことだった。ハノイで買ったお土産のトートバッグと水を入れて出発。

隠れ家カフェで玄米茶ラテ

Sonyaがすごくいいカフェを知っているということで、「Every Half Coffee Roasters」というお店を紹介してくれた。そこはバイクでないと辿り着けないくらい入り組んだ場所にある隠れ家的なカフェだった。真ん中に中庭があって、上に吹き抜けて、たくさんの木と小さなブロックテーブルが置いてある。とてもクリエイティブな空間だった。

さっそく「玄米茶ラテ」を注文する。玄米茶のラテって本当にめずらしいなぁって思いながら。そしたらSonyaらしき子が手を振ってきたので、すぐにわかった。初対面の恒例ハグをして、お話を始める。彼女も玄米茶ラテを注文していて、一緒やん!って思いながら。

「心を閉ざさない」という強さ

彼女はINFPで、深い話が大好き。最初はハノイの話をしたりして、それからどんどん深い話に入っていった。僕が本当に気になったのは、「彼女は元彼が去ってしまった時に、どのように自分を立て直したのか」ということだった。だから、2人でそれについて深堀りしていた。

普通であれば、自分の元から人が去ってしまうと「ああ、自分は魅力がない人なんだ」「自分って価値のない人間なのかな」って思ってしまって、自己肯定感が下がる。その結果、恋愛体質で「Avoidant attachment」になり、さらにCold heart──Z世代によく見られる、冷たくあしらって相手をObsessedにさせるような雰囲気──になってしまうと思う。

だけど彼女の場合は違った。「彼がいなくなっても、自分自体は変わらない。彼は自分の魂の一部だと思っていたけど、どうやら違う。だから、彼が去るのは別におかしいことではない」「自分は彼とは関係なく、彼がいなくなったとしても、自分はそのままの自分なんだ」と思ったらしい。そして、「そのせいで自分がCold heartになるのは嫌だ。だから、いままでの温かいハートを持って生きていきたい」って。

その思考ルートになるのが本当にすごいなぁって思った。もし僕が彼女の立場なら、自分は心を閉ざしてコールドハートになってしまうだろうなぁって。自分を守るために心を閉ざすことで傷つかなくなるからね。だけど、それは本当に悲しいことだけど。彼女は本当に強い。

20代は「広く浅く」でいい

それ以外にも、お互いの価値観を共有した。「自分の人生の軸って何?」だったり、「目標や夢はあるの?」っていうことだったり。Sonyaは、いままで仕事漬けの毎日で友達や自分の時間をおろそかにしてしまっていたから、今はバランスの良い生活を送ることが目標だと言っていた。僕は、世界一周を通して自分にある色眼鏡を外し、新しい視点を持ち、そして夢である「自分の居場所」を見つけることだと語った。

僕たちは「友達の定義」についても話した。彼女からしてみたら、「旅先でいい人と出会っても、それは一時的で、結局はバイバイしてしまうよね?その時に悲しくならないの?繋がったら友達としてずっと連絡を取り合うの?どう関係を維持しているの?」ということだった。彼女は、友達は目の前にいないと不安になるというか、In personであることが大切らしい。距離や時差があると維持は難しくなってしまうのかな。

だから僕は伝えた。「バイバイするのは苦ではないよ。だって、その人がいい人だったら将来また会うように自分で計画を立てるもの。その国へ行ったらその子に話しかけて、久しぶり〜って会う。それで十分友達だと思うよ」って。

それに、僕は20代は濃い友達よりも、広く浅い関係を作ることが大切だと思っている。20代は冒険の時間だから、いきなり濃い友達を見つけてその人とずっと一緒というのはもったいない。だから、まだ自分はSettle downする段階ではないと思う。

改めて「一人」で旅をしていてよかったって思う瞬間がたくさんある。友達や恋人と冒険していたら、極端に人との出会いが制限されていたと思う。受付の人にノートを書いてもらうことや、薬局の人にノートを書いてもらうこと、写真を撮ること、そういうことは起きなかったものね。

ベトナムに来て、カップルだったり友達同士がたくさんいるんだけど、彼らは新しい出会いのチャンスが僕に比べて極端に少ないから、もったいないなぁって思ったりする。これは僕の視点でね。

だからやっぱり、まだSettle downするのは早い。まだまだいろんな人に会いたい。自分のレベルを上げて、同じようなマインドを持つ仲間とたくさん会いたい。だから普段から自分に対して挑戦して、たくさん成長していきたいと思っている。

3時間の会話、玄米茶ラテ、ロシア語

そんなこんなでSonyaとは3時間くらいお話をしていた。途中雨が降ったりで、中庭から中に移動したり。このカフェの店員さんは雨が降ると、わざわざ僕たちのところに来て「中に行く?」って聞いてくれたり、水を持ってきてくれたり、すごく丁寧だった。

Sonyaとはロシア語でも会話した。僕のロシア語がとにかくかわいいって言ってくれて嬉しかった。だけど、僕はネイティブのような発音でお話しているつもりなんだけどなぁ。

彼女はロシアには帰りたくないらしく、ホーチミンのほうが生きやすいとか。帰り際にトートバッグを渡してバイバイした。彼女はすぐにクラスがあるらしく、夏休み中は個別塾で英語の先生として働いているとのこと。本当に働き者だなぁって思った。また会えたらいいな。

3.5年越しの初対面、My Tu

一旦ホテルに戻る。雨が降っていてバイクでさえも渋滞するベトナム、すごいなぁって思う。

夜ご飯はMy Tuと食べることに。彼女とも初対面。出会ったのは2022年、僕がロシアに交換留学生として留学しているとき。

同じ大学で、彼女は僕の記事を見てインスタグラムをフォローしてくれて、DMで「すごい!インスピレーションを受けた!」ってわざわざ話しかけてきてくれた子。彼女は今ホーチミンに暮らしているとのことで連絡をくれたので、今日夜ご飯を一緒に食べることに。

彼女は犬が好きで、売上の一部を犬の保護に充てているベジタリアンレストランを提案してくれた。僕の宿泊先からすごく近いので歩いて行くことに。到着早々、まだ誰もいなかったのでメニューを見ながら何を食べようか考えていた。フランス語の録画もした。

彼女は雨で遅れるということで待っていたら、40分くらい遅れてきた(笑)。本当にベトナムは遅れるのが前提なんだなぁ。もうTaoとの経験で慣れたので、僕は別に腹が立つこともなく自分のことをしていた。

やっとMy Tuが到着。頭も服もすごく濡れていたので、「寒くない?大丈夫?」って言いながらの初対面だった。彼女は本当に外交的で、おしゃべりが大好きな感じ。そして、いままで出会った中で一番英語が上手で、意思疎通もしっかりできるタイプだった。だから本当に話しやすくて、流暢に会話が進んだ。

ロシア語でコンピューターサイエンスを学んだベトナム人

メニューを一緒に見て、僕はマッシュルームと辛いものが好きではないことを伝えた。My Tuは店員さんと相談してくれて、結局、酸っぱいめのスープ、スプリングロール、香料がすごく効いた料理(名前がわからない笑)、野菜のロールを注文した。

料理が来るまではバックグラウンドを聞いていた。彼女はどうやら5年間ロシアに正規留学していたらしい。1年間はロシア語を学ぶ期間で、あとの4年間はITMO大学でコンピューターサイエンスをロシア語で学んでいたとか。本当にびっくりした。僕と同じ交換留学生かなって思っていたし、まさかロシア語で授業を受けていたとは。すごいなぁって心から思った。

なんでロシアを選んだの?って聞いたら、もともとベトナムからロシアに留学する人が大量にいるらしく、比較的簡単に行けるとのこと。1000人くらい行くらしい。僕たちなんか、たった2人だったのにね。

ベトナム人は「一人」にならない

ベトナムの文化についてもお話した。ベトナム人で一人で行動している人は、いままで見たことがない。絶対に友達か恋人か家族で行動している。だから「みんな一人の時間はいらないの?」って聞いてみた。

そしたら、ベトナム人は基本的に一人で行動することがなくて、一人で過ごしていると「大丈夫?なにかあったの?」「彼氏・彼女と別れたの?」って思われるらしい。これは勘弁してほしい(笑)。僕たち日本人にとっては一人の時間は絶対に必要だからなぁ。My Tu自身もMicrosoftのカスタマーサポートで働いているんだけど、たまにお昼ご飯を一人で食べていると同僚から「大丈夫?!」って言われるらしい(笑)。

HCMCとHanoiで食文化が全然違ったり、ベトナム語の方言も違うという話も面白かった。ハノイが正規のベトナム語で、HCMCは方言が混じっているらしい。お互いに話していてもたまに理解できないこともあるとか。南ベトナムは香料やスパイスが大好きで味がとっても濃い。だけどハノイはスパイスをあまり入れずに天然の味を大切にする文化だとか。だから僕はハノイのほうが合っているのかな?と思いつつ、正直そこまで味の違いは感じなかったけど。

ベジタリアンなのに最高に美味しい

料理が来たので食べる。大量すぎた。だけど野菜ロールもスプリングロールも、ベジタリアンなのに最高に美味しかった。食事よりも会話で盛り上がって、ずっとお話していた。たまにロシア語を使ったり。彼女はロシア語を1年使っていないからもう忘れてしまったとか。

ロシアでの体験も教えてくれた。いつもベトナム人と一緒に過ごしていて、夜ご飯は必ず料理をしていたらしい。アジアのスーパーで簡単に素材は買えるとのこと。確かに僕がロシアに留学していたとき、ベトナム人はいつもグループでいて、いつも料理をしていた。僕なんか疲れたら必ずMcDonaldだったりKFCを食べていたり、スーパーで寿司を買っていたのに、ベトナム人はどれだけ疲れていても料理をするらしい。文化の違いを感じたなぁ。

My Tuは今の会社では自宅と会社の往復で、残業もあたりまえ。すごくオーバーワークをしているらしく、疲れ切っていた。仕事を変えたいとも言っていた。確かに、お金をたくさん稼ぐことができても、実際にそれを「使う」時間がなかったらなにも意味がない。人生を「仕事のために生きている」状態では、どれだけお金があってもそれは幸せとは言えない。ただ生存本能に囚われているだけだと思う。本当に共感するものだった。

3.5年分のごちそう

2時間くらいお話して、僕のノートにもメッセージを書いてもらった。僕は日本語でメッセージを書いた。カードにメッセージを書いているときも、彼女はなりふり構わず質問をしてきたり、お話してきたりするので、すごく外交的だなぁって思わずにはいられなかった。

彼女自身もロシア留学を通して、ベトナムに帰ってきたときはパーソナルスペースがない状態ですごく疲れてしまったことがあるらしいし、電車の中のうるささにロシアで慣れていた自分がびっくりしてしまったとか。やっぱり留学を通して海外に行っている人は、レベルが高いし、考えもしっかりしているなぁってすごく感じる。3.5年越しに会うことができて本当に嬉しかった。

そろそろ行こうかとなって、僕が財布を出そうとすると、「いいよいいよ私にごちそうさせて!」って。すべて彼女が出してくれるとのことで、本当に驚いてしまった。おもてなしがすごい。「日本に来たときは奢ってよね!」って言われたので、「もちろん!」って。今回は彼女にごちそうになった。

ホテルはブイビエンの近く。ここはうるさすぎるので、おすすめしない

僕たちはバイバイして、僕はホテルに戻った。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後は、Webサイト制作を独学で勉強し、2022年10月にフリーランスに。その後、海外に拠点を移すために海外視察を開始し、ヨーロッパ、東南アジアなどを一人で冒険をし、さまざまな人と交流する。将来の夢は、ヨーロッパに移住し、クリエイティブ・多国籍企業を作り、多種多様なクリエイティブプロジェクトをしていくと共に、パイロットになり世界を旅すること。音楽・ファッションなしでは生きられない。イヤホンにはとても辛口評価。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻