〜心のままに歩く旅〜
予想外な出会いが最高の1日をつくる——フエで過ごした忘れられない1日

予想外な出会いが最高の1日をつくる——フエで過ごした忘れられない1日

出会い, ストーリー, 面白い体験
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フランス人・スペイン人の旅仲間との別れの朝。皇帝が眠るカイディン帝陵の荘厳さ。そして、前日レストランで出会った大学生Linaとの予想外の一日——ローカル屋台のBánh Ép、セーヌ川のようなフエの橋、ベトナムカラオケでドラえもんを熱唱。「インスタグラムを聞く」たったそれだけの勇気が、こんなにも豊かなストーリーをつくった。

朝8時に起きる。FloとPedroが別の街へ行くので、別れの挨拶をしたかったから。彼らは2時くらいに寝たのに7時には起きていて、どうなっているんだろうって思うばかり。回復速度がものすごい。僕は結局3時くらいまで寝ることができなくて、いろんなことを考えていたのかそんな感じだった。だけど8時には起きてシャワーを浴びる。

パッキングをしている間、Floはフランス語で「1から10まで言ってみて!」みたいな感じで、僕とフランス語でお話をしていた。Pedroとも「次はバルセロナで会おう!絶対にね!」と約束。彼の笑顔は本当に素敵だった。こんなに輝く笑顔を見たのは久しぶりだった。ちょっとMissingな気持ちもあるけれど、バイバイをした。

ホステルの中は空っぽになった。朝ごはんは無料だったので1階へ。スクランブルエッグとパンを選んだ。

量はそこまで多くないけど、バターをくれますか?って聞いたら感じよくバターをくれた(たぶんマーガリン)。味は正直美味しくなかったけど、気持ちがあったから美味しかった。

カイディン帝陵へ

ベッドに戻って3時間ほど仮眠。今日の午後からはLinaと会うことになっているので、それまでに観光名所を巡らないと。昨日セットチケットを買ってしまったから、なんとしてでも行きたかった。

結局いろいろやっていたら15時になってしまっていて、15時30分に会う予定だったLinaも暑さがきつそうだったので、17時にきれいな丘で会おうと予定を変更した。

時間ができたので、カイディン帝陵(Kai Dinh)へ行くことにした。昔の皇帝が眠っているお墓だ。

お昼ごはんのバインセオ!最高に美味しかった

バイクタクシーで向かうんだけど、周りにはほとんどバイクがいなくて、フエの田舎を駆け巡って到着するような場所だった。フエはとにかく自然が豊かで、それだけで心も豊かになっていた。

カイディン帝陵は神社のように大きくそびえ立つ灰色の建物だった。どこか暗黒を思わせるような雰囲気がありつつ、たくさんの石像が並び、壮大な佇まいだった。Grabバイクの運転手に「写真撮ってくれない?」とお願いした。Grabの人が写真を撮るという光景はあまり想像できないから、自分でも恥ずかしかった。

だけど、いい感じに撮ってもらえたので、お礼として10,000ドンのチップを渡した。少し勇気がいることだったけど、後悔はしたくなかったから。

内部に入ると、本当に宮殿のようだった。お墓はとにかく大きくて、外には皇帝の像があり、壁は金色で荘厳に輝いていた。

天井には龍の壁画があって、一つ一つ細かく描かれていて、昔の人がここまで作り上げたのは本当にすごいなぁと驚くばかりだった。お土産屋さんで、貝殻でできたスプーンと牛の角で作られた腕輪を購入。とても美しかったから。

Linaとの再会

少し雷が鳴り始めていたので、急いでバイクを呼んで丘へ向かった。Linaは当初、僕を丘まで連れて行ってくれる感じだったから「今向かってるよ!」と送ると、「まじか!私まだ街中だわ」という返事。20分くらい待つことにした。

近くのカフェが本当におしゃれで、穏やかな雰囲気だったので、ベトナムのお茶を注文。彼女用に桃のお茶も頼んで待っていた。20分くらいすると、バイクに乗った彼女が到着。

大学3年生のビジネスガール

一緒に席に座っていろんな話をした。途中雨が降ってきたりしたけど、しっかり止んでくれた。

彼女は自分のファッションショップを運営していて、インスタグラムもすでに開設していた。大学3年生で、出身は北ベトナムだけど、フエに来てマーケティングを勉強しているらしい。将来は大学を卒業してから自分でビジネスを本格的にやっていきたいとのこと。

ハノイに服を安く仕入れられる展示会のようなものがあるらしく、そこに定期的に顔を出して、いい商品を購入してフエに持ち帰り、高く売るというビジネスモデル。彼女の部屋には写真撮影用のマネキンも置いてあって、本当にシリアスにやっているんだなって感動してしまった。

僕が大学の頃にネクタイを大量に購入して、アパートにスタジオを作って写真撮影してメルカリで売っていたときのことを思い出した。大学3年生なのに行動に移しているのが本当にすごい。

しかも英語のレベルも高くて、大学3年生とは思えないくらいだった。ベトナム人は価格を最重視するらしいから、いかに良い服を安く売るかが勝負だとか。僕もきっと将来、彼女とコラボできたらいいなって考えていた。

ベトナムの恋愛事情についても話した。ベトナムでは赤ちゃんを1人産むと、1歳になるまで毎月5万円くらい政府から支給されるらしく、それ目当てに子どもをつくる人がとても多いとのこと。

彼氏彼女の場合は、パートナーが写真を撮るのが下手だった場合、別れを告げられることもあるらしい。中には男性を紐扱いしている女性もいるという話で、ベトナム人女性はやっぱり強い。そう思った。

フエの料理が美味しい理由

話しているうちに、すっかり暗くなってしまった。本当は丘に行く予定だったけど、カフェで引き続き話をすることに。

Linaから聞いた話で面白かったのが、フエの料理がどこよりも美味しい理由。昔皇帝が住んでいて、1945年まではフエが首都だったから、皇帝のための食事が作られていた歴史があるらしい。料理の種類も、麺系ではなく少しずつの盛り合わせが多いのも、そういう背景があるんだろうなぁと納得した。

Bánh Ép とローカル屋台めぐり

時間も時間なので、夜ご飯を食べに行こうということに。Linaはフエ名物のBánh Épが好きらしいので、一緒にバイクで向かった。彼女はバイクを運転しながらスマホを確認したり、「持ってて〜」と僕に頼んできたり。

彼女のバイクは完全マニュアルで、左にブレーキがなく足でブレーキをかけるタイプだった。いままで見たことがなくて、めちゃくちゃかっこいいなぁって思った。

ローカルのレストランに到着。ベトナムのローカルレストランは、決まってテーブルが低くて椅子が本当に小さい。でも、これが楽しいんだよなぁ。ローカル感が増大する。

そこでは特殊な鉄板を使って、卵、エビ、ネギを混ぜて焼いていた。卵クレープのような感じで、すごく美味しそうだった。Linaは辛いソースをつけて食べていたけど、僕は辛いのが無理だから魚のタレに変えてもらった。普通に美味しかった。

これがフエのローカル料理なんだって感じながら、すべてのクレープを食べた。これでたったの20,000ドン。安すぎる。

僕が払おうとすると、Linaは払わせないと言わんばかりにQRコードでお支払い。ありがたい気持ちと申し訳ない気持ちもあるけど、さすがビジネスガールだなって思った。

それからBún Bò Huếを食べに行こうとしたんだけど、もうやっている店がなくて、いろんな店を回っても見つからなかった。代わりに、カニベースのスープがある屋台へ。Linaもあまり行かない場所らしい。

注文してみると、とても甘いスープだった。彼女自身も甘すぎると言っていて、麺はライスヌードルではなくトロピカルフルーツから取れる麺を使っているらしい。名前はわからなかった。結局完食できず、味は微妙だった。

フエの橋、セーヌ川のように

それから僕たちは橋へ行くことにした。フエの橋の近くに、ローカルがよく行くきれいな橋があるとのこと。到着して歩くと、まるでフランスのセーヌ川を歩いているようだった。近くにはたくさんのベトナム人が写真を撮影していたり、カップルで歩いていたり。

堤防に座っていろんな話をする。ベトナム人は女性がDominantで男性がSubmissiveなのかという話もした。

だけどそれはホーチミンやハノイなどの都市部の一部の話で、少なくともフエではそんなことはないらしい。

みんな控えめで、優しく思いやりがあるとのこと。それは確かにそうだった。フエに来てから、本当にいい人ばかりで親切な人ばかりだなってすごく感じる。

ベトナムカラオケ初体験

Linaはよくビールを飲んでいるらしく、毎週休みのときは友達とビールを飲んでからカラオケに行くという。だから「じゃあ僕と一緒にカラオケ行く?今から」と提案してみた。案の定OKになったので、ベトナムカラオケ初体験へ。

到着すると、本当に普通の家のようなところだった。2階に部屋があって、カラオケマシーンと巨大スピーカーが大量に。実際に流してみると巨大すぎてやばかった。騒音レベル。でもベトナムだから、日本の3倍の音量は仕方ない。お兄さんに言って音を調節してもらおうとしたけど、うまくいかなかった。

彼女はベトナムの曲や「Nothing's Gonna Change My Love for You」を歌っていた。ベトジェットエアーの曲も一緒に歌って爆笑。僕は日本の曲はドラえもんくらいしかないだろうと思って、ドラえもんの主題歌を選曲。Linaもドラえもんは毎日見ていたらしく、もちろん曲も知っていて一緒に歌った。

フエで有名なHudaビールも一緒に飲んで乾杯。このビールは普通に美味しくて、酔っ払うほどでもなく、ちょうどよかった。

予想外な出会いの価値

Linaにメッセージカードを書いてもらって、僕もカードを渡した。本当に楽しかった。こんな予期しない出会いは面白いし、僕がインスタグラムを聞かなかったらこのストーリーは実現しなかったと思うと、勇気を出して聞いてよかったって心から思った。

バイクに乗ってホステルまで送ってもらう。カラオケ代は160,000ドンくらいだったけど、彼女がすべて払ってくれて「次回はお願いね」と。こういう気前の良さも、ベトナムの人の温かさだなって思う。

ホステルに到着して「またね」とバイバイした。明日の朝、抹茶ラテを作って持ってきてくれるという話もあったけど、朝めちゃくちゃ早く起きないといけないから大変だろうなと思って、「Up to you!」という感じで。

そんなLinaとの一日だった。旅先で出会った人と、こんなにも充実した時間を過ごせるなんて思ってもいなかった。予想外の、最高の一日だった。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後は、Webサイト制作を独学で勉強し、2022年10月にフリーランスに。その後、海外に拠点を移すために海外視察を開始し、ヨーロッパ、東南アジアなどを一人で冒険をし、さまざまな人と交流する。将来の夢は、ヨーロッパに移住し、クリエイティブ・多国籍企業を作り、多種多様なクリエイティブプロジェクトをしていくと共に、パイロットになり世界を旅すること。音楽・ファッションなしでは生きられない。イヤホンにはとても辛口評価。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻