「誰が何を言おうと気にしないわ。だって、それは確証がないんだから」
インスタグラムでしか見たことがなかった彼女が、目の前でそう言い切った。
眠れなかった夜と、思い込みだった朝食
夜中は寝ることができなかった。中国人のうるさすぎるいびきのせいだ。結局眠りについたのは3時30分、起きたのは8時過ぎ。めちゃくちゃ眠たかった。シャワーは冷水しか出ないので浴びる気になれない。

昨日は朝食が残っていなかったのがトラウマになっていたので、今日はあるうちにと急いで向かった。
なんとビュッフェ形式ではなく、宿泊者の人数分のプレートが置いてあるだけだった。僕は昨日、自分の固定観念で状況を勝手に解釈していたんだ。あのプレートは僕の朝ごはんだった。これが典型的な「自分が見ている世界は、自分の頭の中での解釈でしかない」というやつだった。プレートを自分の席に持っていって食べた。卵とチーズとオリーブ、中心にパスタ。全く十分ではなかった。最初に泊まったホステルの方が、朝ごはんも施設も受付の人も、よっぽど良かった。その落差は大きかった。
Fujifilmで、自分のお金で買ったカメラ
チェックアウトを完了させて、大きなバックパックを置いて外へ出た。外にはトルコ人の可愛い子が座っていて、少し緊張している感じだった。僕も少し緊張した。可愛かったから。震える声でHelloって言って、その場を後にした。
歩いてKarakyoiへ。今日はついにFujifilmのカメラを買う日。前回タイで気になっていたX100viを安価で買えたのに、10分遅かったせいでお店が閉まってしまった。縁がなかったんだ。今回こそ。
お兄さんが対応してくれて、レンズやフィルムシミュレーションをいろいろ確認した。欲しいカメラが決まった。X-T30 III。日本円で約15万円、めちゃくちゃお手頃な入門機で、軽くて気軽に持ち運べる。

いろいろ質問して、ついに買うことにした。
Amexのビジネスカードで一括購入。ついに、自分のお金でカメラを買ったんだ。すごく嬉しかった。
インスタグラムの中の人が、目の前に
日記を書いていると、Kubraが現れた。彼女はTripBffっていうアプリで出会って、一緒に会おうよ!っていうことになった。彼女は、僕の中で人生で一番Extrovertな人で、常に話し続けている感じだった。僕は彼女とは合わないだろうなぁって思っていたけど、それでもきっと面白いし、きっと楽しいはずって思っていた。というのも、テンションが高くて、いつも話している人は少なくともネガティブではないし、最近気づいたのが、僕はやっぱり人に影響されるタイプ。だから、誰と一緒にいるかで自分の性格や考え方がすごく変わってしまうタイプだとわかった。
だから、できるだけ明るくて、一緒にいてポジティブな人がいい。外向的な人の方が、最終的に僕は幸せになれるんじゃないかって感じている。外向的で、人とお話をするのが好きな人の方が、そっちに引きずられるので、積極的に人脈を広げられるし、そうするとどんどん自信がわいてくる。
これは何度も経験した。内向的な人と一緒にいると、自分は吸い込まれて、どんどん自分も内向的になっていってしまっていることをすごく感じた。特に、自分のComfort Zoneにとどまっている人といると、本当に人生は楽しくならない。
だから、今、僕の好きなタイプはと聞かれたら、きっと自分のComfort zoneから積極的に外に出ている人っていうかな。それが、本質的に僕の好きなタイプだったりもする。

インスタグラムで見ていた彼女が目の前に現れて、有名人のコンサートに来たような気持ちになった。
席を移動して、少し広い席に座った。彼女はアイスカフェラテをオーダーしていた。注文して、受け取って席についた瞬間、彼女の会話は止まらなかった。
僕は、この時頭にあったのは、「人は話を聞いてもらいたい生き物」「話を聞いてくれた人に、好感を持つ」「結局、最終的に人間が一番欲しいのは自尊心」「相手に向き合って、相手を大切に扱い、相手を受け入れる姿勢」「人間は聞いてほしい生き物」。だから、ずっと微笑みながら頷いていた。そうすると、彼女は本当に会話が止まらなくなっていて、さぞかし楽しいんだろうなぁって思いながら、ずっとお話を聞いていた。やっぱり、お話をすることよりも、相手のお話を聞くことが一番の学びになる。だから、これは絶対に忘れてはいけないこと。
すると、自然と彼女は自分の悩みだったりを共有してくれて、自分のお母さんのようにはなりたくないけど、でもならないとハッピーになれないような気がするとか、そういうジレンマなどを共有してくれた。それに、彼女は自分と自分以外を明確に切り離していて、こう言った。
「誰が何を言おうと気にしないわ。だって、それは確証がないんだから。自分ほど自分を知っている人はいないし、過去もそこまで知らない人が何か言ってきても気にしない」
「できるだけ自分にはポジティブなことだけを言っているし、今後もずっとポジティブでいようと思う。周りはネガティブなことばかり言ってくるし、自分を評価してくるでしょ?じゃあ誰が自分を褒めてくれるの?自分しかいないじゃん」
本当に同意だった。彼女は、まるでVOGUEのインタビューに答えている有名人のような感じだった。すごく不思議な感覚だったし、今まででこんなタイプの人は自分の中で初めてだった。彼女は、過去に色んな人と会ってきて、交流してきたからこそ、いろんな人の人生を知って、色んな人の考え方を吸収している。だからこそ、こういう考え方になれるんだなぁって、改めて感じた。そして、改めていろんな人と交流することの大切さを学んだ。
恋愛についてもお話した。彼女は16歳の時にはじめて付き合ったらしく、だけど相手の子が浮気をしてすごく傷ついただとか。だから、今はLoyalとは全く逆の恋愛を繰り返しているらしい。それをすることによって、真ん中が見えてくるじゃない?って。僕の中では、いままでずっとLoyalか、Bad girlかどちらかしかないって思っていた。だけど、みんな最初はLoyalで、色んな経験をしてBad girlになっている。だけど、彼女はそれで終わらずに、それを経験することによって、最終的に自分のタイプがわかるし、最終的にその真ん中に戻れるでしょ?って言っていた。それが、僕にとっては新しい価値観だった。
それに、彼女は「いつも正しい道なんて進めないよ。悪いってわかっていても、それでもいいじゃない」って。本当に言う通りだった。いつも正しい道ばかりを進もうとすると、本当につまらなくなるし、機会を逃してしまう。だから、正しい道というよりも、「頭を使いすぎない」ことが大切で、心の思うように進んでみるっていうこと。これが、結局間違ったことになるかもしれないし、悪い体験につながってしまうかもしれない。だけど、この恐ろしさ、怖さの先に、なにか輝かしいものがあったりする。それは、すぐには手に入らないけど、怖い経験をした先に待ってる。それに、特に強調していたのは、「自分が想像した自分に必ずなる。だから、信じ続けることが大切だ」って言っていたこと。これは、まさに僕がいつも考えていることだった。想像した理想の自分を強く思っていると、脳は必ずそのようになるように、思考し、行動し、選択する。
メッセージを書いてもらって、ジョージアで買ったハチャプリの磁石をプレゼントした。彼女のルーツはジョージアだから。一緒に写真を撮って、彼女の家の近くまで案内してもらい、レストランの近くでばいばいした。
白米と豆、最後のトルコ料理
ロカンタに向かって、大好きな白米と豆のスープを注文した。これが最後のトルコ料理だと思って。

すごく美味しかった。
来た道を戻り、トラムに乗ってジェーニャとの集合場所へ向かった。
ジェーニャとの再会、2時間の深い話
集合場所でジェーニャと再会。心から嬉しくてハグをした。アララトで買ったお土産を渡した。空港まで2時間あったので、一緒に歩きながらいろんな話をした。

彼は誠実で、考え方が深い友達。
彼は何かをやるなら極めたい、0か100かというタイプらしい。カメラとレンズに投資した額以上を、結婚式やパーティーの撮影で稼いでいるという。物事を「投資」という目線で考えることの大切さを学んだ。僕もMacbook Proを40万円で買って、すでにそれ以上の価値を得ている。宗教の話もした。キリスト教やムスリムについて幅広く教えてくれた。恋愛やセックスの話も含めて、いろんな価値観を共有できた良い時間だった。
彼は大学に行っておらず、この先どうなるかわからない不安もあると話してくれた。僕も、僕の仕事はいずれAIに取って代わられるのは確実。だから自分で仕事を作っていかなければいけない。今は世界一周でいろんな文化に触れ、自分を深めるフェーズだと思っている。ホテルに着いてハグをして、また今度はポーランドで会おうということになった。彼もトラベルが大好きだから、1か月前に言ってくれれば一緒に旅ができるって。そう言ってくれること自体が、本当にありがたかった。
疑いすぎた僕と、優しいトルコ人たち
ホステルに早歩きで戻ってパッキングをして空港へ向かった。途中、メトロが乗り換え必要とのことで、おじさんが肩を叩いて知らせてくれた。なのに、僕は彼をおかしな人だと判断し、別のおじさんが教えてくれたのも無視して乗り続けた。案の定それは本当で、来た道を戻る羽目になった。
疑いすぎて、なかなか人を信用しない自分。でも、これくらいがちょうど良いんじゃないかとも思った。おじさんたち、ありがとう。そしてごめん。
トルコよ、ありがとう
空港に無事到着し、タックスフリー手続きと出国審査を完了。


ラウンジでカメラの箱を開けて捨て、夜ご飯を食べる。久しぶりの水が美味しすぎた。

深夜フライトでキルギスタンへ向かった。トルコありがとう。僕の中で、トルコは好きな国の一つになった。




