朝7時30分に起きて、タクシーで集合場所へ。 4時間しか寝ていなくて、頭がずっと重かった。
集合場所でミニバンに乗り込む。 メンバーは全員ロシア語話者。英語を話す人は、一人もいなかった。
近くのスーパーでピザとパンを買い込む。 バナナ3本しか食べていなかったから、お腹はもう限界だった。
ロシア語だけのツアーに飛び込む
ガイドさんは英語が話せる人で、それは正直助かった。 でも、どうせならロシア語の中に自分を放り込んだほうが、成長するし、強くなる気もした。そういう環境に強制的に自分を置くのも面白いなと思いながら、ツアーは始まった。
ガイドさんはすべてロシア語で話していて、僕は30%しか理解できない。 逆に、無駄に考える必要もなくて楽だった。
少し走ってから、自己紹介が始まった。後ろの人から順番にロシア語で話していく。あまり理解はできなかったけど、自分は何を話そうかなと考えていた。緊張はしなかった。
僕の番。旅人であること、このツアーに興味があること、年齢を答えた。 ガイドさんは「ロシア語話せるの…?」と少し戸惑っていたけど、僕は普通に、慣れたロシア語で話すことができた。これも成長なのかな、と思う。
やっぱり環境が人を変える。 日本だったら、他人の評価が気になって、もっと緊張していたと思う。
Alamedin渓谷、野生の馬と出会う
渓谷の入口に到着。晴天で気温は31℃、半袖と長ズボンでハイキングが始まった。 山々が連なる景色は、スイスのようだった。

ひたすら渓谷を奥へ歩いていく。 途中、ウクライナ人のArtyrと出会った。彼は日本に3年くらい暮らしているらしい。いきなり日本語で話しかけてきたので、「まじか!」ってなった。

途中、野生の馬が団体で草を食べていた。 こんな野生の馬を見るのは人生で初めてで、すごく感動的だった。隣には馬の赤ちゃん。最近生まれたんだろうな、と思うくらい小さくて、すごく可愛かった。
牛たちの複雑な人間関係
大きな荒野で休憩があった。アルプスのハイジに出てくるような景色に、たくさんの牛や馬が放牧されている。 みんな平気でおしっこやうんちをしていて、めちゃくちゃ滑稽だった。それに、僕を気にしているのか、こっちをずっと見てくる。僕を見ながらおしっこする牛がいて、面白すぎた(笑)。

彼らはオーナーに管理されているらしいけど、ずっとではなくて、定期的にチェックされるだけ。オーナーにはフレンドリーだけど、他の人にはそうでもないらしい。それに、牛同士にも友達や恋人といった関係があるとか。 牛って、思っていたより複雑な関係性の中で生きているんだなと思った。

たくさん写真も動画も撮った。せっかく買ったFujiのカメラも使って。 まだ操作に慣れていなくて、フィルムシミュレーションもどれがいいのかわからない。どんどん学んでいきたい。

ガイドさんが被っている帽子についても聞いてみた。キルギスとカザフスタン特有の、すごく背の高い帽子らしい。面白くて、被らせてもらって写真も撮ってもらった。チョコレートも一切れくれた。本当にやさしいガイドさんだった。

6kmの果てに見た滝
そこからは、ひたすら歩いて滝を目指す。 川の勢いが強いところを渡る必要があって、石はほぼ水にひたひた。靴が濡れてしまった。
それでも6kmほど歩いて、ようやく滝に到着。たくさんのキルギスのローカルの人と、ロシア人旅行者がいた。 滝そのものは至って普通で、インドネシアのジャワ島で見た滝と比べると、どうしても物足りなくなってしまう。でも、滝がメインじゃない。ハイキングがメインだった。
今まで人生でしたハイキングの中で、一番面白くて、一番過酷だった気がする。インドネシアのイジェン山も十分きつかったけど、今回はそれ以上に疲れた。1リットルのペットボトルの水がもうすぐなくなりそうで、ちょっとやばいなと心配していた。

牛の骨と、キルギスの空の下で
また荒野に座ってお昼ごはん。パン1つだけ。 それでも、ロシア人の人がセサミのお菓子を一切れくれた。他のロシア人はバナナを分けてくれた。ネイティブの速さで話しかけられて、ほとんど理解できなかったけど、それは僕をコミュニティに入れてくれている証拠でもある。嬉しかった。リスニングは少しずつ向上していて、早いロシア語でも単語は拾えるようになっていた。
お昼ごはんを食べていると、牛の骨が見つかった。すでに誰かに食べられて、完全に白骨化していた。 それを持って、一緒に撮影した(笑)。
食べてからは下山して、来た道を戻っていく。 山々に囲まれた自分。快晴で、雲一つない青空。僕はキルギスにいた。長い間夢を見ていたキルギスに訪れて、自然の中でハイキングをしている。実感はあまりないけど、自分はすごいことをしているんだなと、改めて思った。

ガイドさんの日常と、キルギス人の心
駐車場に到着。近くの古いお手洗いに行こうとしたけど、汚すぎてハエが30匹くらいいて、使えなかった。「Kafe」という看板の店でお水を買って、トイレを無料で使わせてもらった。
帰り道、ガイドさんと少しだけ話した。土日はツアーガイド、月曜から金曜はIT会社でシステム系の仕事をしているらしい。それだけで驚きを隠せなかった。毎日働いていて、休みがほとんどないんじゃないかって。
それでも大丈夫なのかなと心配になったけど、彼はまったく疲れて見えなかった。日常的に自然に触れているから、メンタルがすり減らないのかもしれない。キルギスの人たちはみんな心が美しくて、スマホを見ながら歩いている人を見たことがない。それだけ人間らしい生活を送っているから、精神的な問題を抱えている人が少ないようにも思えた。
彼に家族がいるのかはわからないけど、毎日働いているのは本当にすごい。自分は、それに比べて恵まれているなと感じた。
寿司と、ノクターンの夜
バスは無事に到着。みんなにばいばいと言って、リーザと一緒にホステルに戻った。お腹が空いていたから、近くの寿司屋さんで寿司を注文した。16個で1780円。めちゃくちゃ高い。キルギスはもう安い国ではなくなってしまったんだなと思う。自分もちゃんと稼がなきゃ。

最近感じることだけど、キルギスの人は毎日外食できないし、お金も限られているから、家で食事をすることがほとんどらしい。それでも実際に外に出てみると、みんな幸せそうにしている。 日本を歩いていると、疲れた顔や、余裕のなさそうな顔をよく見る。感情を抑え込んで、人間らしさをどこかに置いてきてしまったような人も少なくない。それに比べて、キルギスの人は給与も少なくて、暮らしも決して豊かではないけど、みんな顔が生き生きしている。だから、結局はお金じゃないんだなと思う。人と人の良いつながり、自然に囲まれた、人間らしい人生。これが本当に大切なんだと思った。
夜はMovie nightで、昨日のメンバーの何人かが集まって一緒に映画を見た。ピアノがあったので、そこでノクターンを演奏した。新しい友だちもできて、名前は忘れてしまったけれど、「Love story」を一緒に演奏した(笑)。
彼は僕の演奏に驚いたのか、終わるとすぐに外に出ていってしまった。なんだか圧倒されていたみたいだった。 それはそれで、いいじゃないか(笑)。






