〜心のままに歩く旅〜
日本語が聞こえた瞬間、殻にこもってしまう自分がいた

日本語が聞こえた瞬間、殻にこもってしまう自分がいた

ストーリー, カルチャー, 学び
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ハノイの軍事博物館で、戦車の硬さに触れ、ジャングルで戦った兵士たちの水分補給を想像した。日本人街のカフェに入ると、日本語が聞こえた瞬間、体が反応して殻にこもってしまった。だから僕は日本に帰っちゃいけないのかもしれない。過去のトラウマがフラッシュバックする前に、ここにいよう。

今日は8時30分に目が覚める。やっぱりホステルの12人部屋だと、誰かは必ず早起きだし、朝早くに出発する。だから、耳栓とアイマスクをしていても、振動や物音で起きてしまうのかなと思う。

今日は9時からWalking Tourがあった。そこに参加するということは、僕があまり慣れていない「グループでの活動」に参加するということでもある。ホステルで出会った各国の旅人たちと一緒に、交流しながらハノイの街を散策するツアーだ。ホステル側が主催してくれて、WhatsAppで告知してくれる仕組み。こんなに素晴らしいサービスある?って思うくらい、ちゃんと人と人をコネクトする理由を用意してくれている。

こんな機会はなかなかないし、ここに飛び込むことは自分のコンフォートゾーンを抜け出すことになる。だからこそ、自分をそこに突き落としてやりたい。そう思っていた。
……だけど、眠すぎた。そんなエネルギーはなかった。

結果、12時に起床。明日も開催するとのことだったので、明日のイベントにはアプライした。最初は、WhatsAppのグループに参加申請するだけでも緊張していたのに、今日はもう一瞬で送ることができた。こうでなくちゃな、って思う。

それにしても、メンタルレベルって日によって全然違う。これは一体なんなんだろう。年齢を重ねて少し保守的になってきているのかな。でも、それじゃダメだぞ、と自分に言い聞かす。

今日は、昨日会ったAnnにまた会いたい気持ちはあった。でも、正直半分は疲れていた。だから今日は誘うのをやめて、軍事博物館へ行くことにした。

博物館は中心街から10kmほど離れていて、バイクタクシーで30分くらい。料金は500円ほど。15時に到着したけど、とにかく暑い。
入場料は40000ドン、約200円。ベトナムの公共施設は本当に安い。

中に入ると、まず両側に当時使われていたヘリコプターや航空機の残骸、撃ち落とされたB52の機体、弾薬などが生々しく展示されている。改めて、戦車って石みたいに硬いんだなと驚く。ホーチミンシティの軍事博物館でも同じように戦車を叩いたけど、本当に硬い。
それでも壊れてしまう。それを思うと、戦争の凄まじさを感じずにはいられない。

ベトナムでは、アメリカの航空機を撃ち落としたことが大きく称えられていて、当時のエンジンや弾薬、パイロットが身につけていた服や持ち物まで、すべて展示されていた。建物も本当に巨大で、「どれだけでかいんだよ」と思うほど。ロシアのエルミタージュ博物館を思い出すサイズ感だった。

今回は時間の関係で1階しか見られなかったけど、そこには戦争だけでなく、ポルポト政権との戦い、フランス植民地時代、さらには紀元前のベトナム史まで展示されていた。当時使われていた武器も含めて、すべてが本当に興味深い。

ベトナムの歴史はとても生々しい。だからこそ、見る価値があるし、知る価値がある。博物館は、こうした過去を繰り返さないために伝える大切な場所なんだと思った。
同時に、僕はいかに恵まれた世代なんだろう、とも思った。戦争も軍事も経験していない。それだけで、どれほど恵まれているか。

一方で、もし戦争の時代に生まれていたら、もっと精神が統一されていて、軸のある人間になっていたのかもしれない、とも思う。今の世代は、そういう極限の経験がない分、どうしても軸がブレやすい。それは仕方のないことなのかもしれない。

それにしても、ジャングルや森の中で戦っていた人たちは、水分補給をどうしていたんだろう。ポカリスエットもない時代に。水筒1本じゃ絶対足りないだろ、と思う。ベトナムの森なんて、本当に暑い。もし自分がそこにいたら、間違いなく熱中症になっていただろう。

ポルポト政権や中国との戦争についての展示もあり、ベトナムがどれだけ辛い歴史を経験してきた国なのかを強く感じた。だからこそ、今のこの急速な経済成長があるのかもしれない。

博物館を出ると、また頭痛がしてきた。炎天下にいたせいだと思う。

バイクタクシーを呼んで、日本人街へ向かう。ハノイ商店という日本向けのお店に立ち寄った。店員さんは「いらっしゃいませ」と日本語で話していた。

抹茶のバスクチーズケーキがあったので注文してみたけど、正直あまり美味しくなかった。セブンイレブンの方が10倍美味しい。でも、まあ、それを求めるのも違うよな、と思ったり。

店内には日本人も数名いて、日本語が聞こえた瞬間、体が反応して殻にこもってしまう自分を感じた。

だから、自分は日本に帰っちゃいけないな、と思った。日本に戻ると、自然と殻ができてしまう。過去の辛い記憶やトラウマがフラッシュバックするのかもしれない。できるだけ帰らない方がいいのかもしれない。

その後、日本人街にある家系ラーメン屋へ。家系は好きだから期待して入った。店員さんは日本語を話していたので、日本語でやりとりする。


ここで思ったのは、相手が一生懸命学んでいる言語があるなら、それで話すことの大切さ。もし自分がフランス語を必死に勉強して、フランスで働いていたとして、フランス語で話しかけたのに英語で返されたら、きっと傷つく。これは本当に気をつけないといけない。

ラーメンの味は、正直いまいちだった。深みがなかった。もう二度と来なくていいかな、と思った。でも、これも経験。

そのあと、行きたかったカフェに向かったけど閉まっていた。仕方なく歩いて別のカフェへ。途中、有名な線路沿いのスポットに立ち寄る。ちょうど電車が通過するタイミングだったので、走って撮影準備。Star Warsのメインテーマを聴きながら撮影した。

ホアンキエム湖へ

2年前にも撮った場所だけど、今回はさらに発展していて、カフェが大量に増えていた。電車の音は信じられないほどうるさい。ノイズキャンセリングが悲鳴を上げるレベル。

iPhoneとOsmo Pocketで撮影して、満足して確認したら……Osmo Pocketは録画されていなかった。
本当に残念。でも、縁がなかったということだろう。

それからカフェへ行き、日記を書いたり、仕事をしたりして過ごす。

そんな一日だった。

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● Profile

Kota Ishihara(いしはら こうた)

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後は、Webサイト制作を独学で勉強し、2022年10月にフリーランスに。その後、海外に拠点を移すために海外視察を開始し、ヨーロッパ、東南アジアなどを一人で冒険をし、さまざまな人と交流する。将来の夢は、ヨーロッパに移住し、クリエイティブ・多国籍企業を作り、多種多様なクリエイティブプロジェクトをしていくと共に、パイロットになり世界を旅すること。音楽・ファッションなしでは生きられない。イヤホンにはとても辛口評価。尊敬する人は岡本太郎。

#同じ旅の余韻